11.決戦の時
三号、四号、五号は実は人間ではなく、悪霊らしい。きっとベルナルドもそのたぐいのやつだろう。たまたま悪魂除去を使ったから倒せたのである。もし悪魂除去ではない魔法を使っていたら危なかったかもしれない。運が良くてよかったー。
「ベルナルドは彼女たちが死んでしまったことには気づいていないから、その場所からは動いていないだろう。いいかみんな。ショッピングモールへ向かうぞ!」
「はっ。」
俺たちは、急いでショッピングモールへ向かった。もう日を越してしまった。日の出までには到着しないと、ベルナルドが活動を始めて、何処かへ移動してしまう…。一刻も早くショッピングモールへ行かなければ。ショッピングモールなんてすぐ近くにあるのでは。そう思ったやつも少なくはないだろう。だが、ここからそのショッピングモールまでは20キロある。テレポートは5キロまでが上限なので使えないし、俺は飛ぶことができるが、他のみんなは飛べない。だから走っていかないといけないのだ。
俺たちは懸命に走った。もう何キロ走っただろうか。俺以外は皆へとへとになりながら走っていた。やはりステータスの差が大きすぎる。でもこれ以上ペースを落としたら、日の出までに間に合わないだろう。どうすればいいのだろうか…。
(そうだ。こんな時こそ創作スキルを使おう!)
「スキル、創作を発動!スキルステータス付与を創作!スキル、ステータス付与を発動!飛躍力上昇9999を半径2メートル以内の生物に付与!」
「おい、お前らはもう限界だろう。だから俺が飛躍力上昇9999をお前達全員に付与しておいた。これで飛躍!と念じれば空が飛べるはずだ。」
「ぜぇ…ぜぇ…。ほ…、本当ですか。ありがとうございます!」
「よし、飛ぶぞ。」
「はい。行きます!」
皆口々にそういうと、宙へ舞い上がった。
「グレン様これなんですか?こんなに簡単に空を飛ぶことができるスキルを付与するなんて。人間では到底できません。本当にすごいです!」
ハンナはとても嬉しそうな顔で俺にそういった。
何分ぐらい飛んだだろうか。まだつかないのか…。とにかく暇だった。俺はステータスが高すぎて、飛ぶことに集中しなくても大丈夫な体になってしまった。なので空を飛んでいる間は、なにも考えることがなくとても退屈なのである。
(ロザリア、あと何分ぐらいで例のショッピングモールに着く?)
<<あと2分ほどで着くかと思われます>>
(やったー!これで俺もこの退屈さから開放されるぞー!)
<<あなた、そんな事を考えていたのですか?そんな事を考える暇があったら、私になんのお見上げを買うか考えといてください。>>
(だってお前は実態げないんだからお見上げを上げるなんて無理だろー。)
<<もー。細かいことわ気にしないで、お見上げを今日中に狩ってきてください。>>
「グレン様見えてきましたよ。」
ハンナがそう行ったので、俺は正面を見た。
(本当だベルナルドがいるであろうショッピングモールが見えてきた。)
さあいよいよ決戦の時だ。
まあ俺は最強だし難なく勝てると思うけど…。