詩 間違いだらけの聖女
「私は聖女、間違いだらけの聖女」
間違っているのは 私以外の全部
正しいと思って 立ち止まらなかった
生み出された犠牲を 無駄にしたくないからと
罪を重ねて 膿をつくって
記憶の海に引きこもって
都合のいい現実だけを見て
皆を救おうとした
壊れてしまった心に気づかずに
考え続けて 耐え続けていた
たった一つの奇跡が叶い 昔に戻れるなら
それですべてよかった
無駄になっても 無碍にしてしまっても
無知になっても 救われるから
聖なる心は歪みやすくて
正であろうとすればするほど
闇がささやき 過ちへと手を引っ張られる