翡翠の境界線～ボーダーライン～

獣人世界を舞台にしたバトルファンタジー。

目覚めた時、記憶を失っていた主人公ヒスイは、たまたま通りがかった木こり夫婦に拾われて名前を付けてもらい育てられた。
しかし、ヒスイは何年経っても成長する様子が無い。見た目は人間そのものなのに、明らかに成長していかない。そんなヒスイを可愛がりながら数十年。住んでいる村の村人からヒスイを隠すように生活する中で、木こり夫婦はこの世を去った。

ヒスイは村を離れ、百五十年ほどした放浪の旅の途中、魔女と一緒に生活することで楽しいという感情を思い出す。
しかし魔女は流行り病であっけなくこの世を去った。ヒスイに遺言を残して。

遺言を受け、誰も足を踏み入れてはならない砂漠を突き進むヒスイ。
砂漠の過酷な環境に耐えられず、そのまま意識を閉じる。目を覚ますと獣人に助けられ、人間がいない獣人の世界にやってきていた。
毎日鬱々と過ごすヒスイのことを街の人たちは暖かく迎えてくれ、おかげで元気を取り戻したヒスイは、とにかく自分の出生の秘密を解き明かすまでは強く生きることを決意する。

見た目は十歳、中身は二百歳越え、思考は時々暗いが何とか明るく頑張るヒスイに周囲の人間も徐々に心を奪われていく。
これは、様々な経験を得ることで少しずつ心も身体も成長していくヒスイの物語。