第6回 「自転車の末路」
◆第6回
ハナヲ 「はーい。うち【やみきハナヲ】だっちゃ!」
かんなぎ「どーもでーす。いつも、ヤル気まんまん【かんなぎリン】、よろしくー」
ハナヲ 「子供時代の自転車って捨てられへんよねぇ」
かんなぎ「のっけに何ですか? ご家庭の話ですか?」
ハナヲ 「前回の続きなんでしょ? お題。【幼少から大人までシリーズ】」
かんなぎ「ところでセンパイ。さっき、控室でお弁当ぶちまけてましたね」
ハナヲ 「ムシすんな! てかアレは、アンタが後ろから急にビビらせたせいやろが!」
かんなぎ「必死に頂き物のお弁当食べちゃって。ひもじかったんですか?」
ハナヲ 「ああ、そーや! ひもじいよ! アンタが壊した家の修理に3百万ほど掛かっとるんやからな※本編「さんき11話」参照」
かんなぎ「一家の大黒柱であるところのリボルトセンセに面倒見て貰ったらいいじゃないですか? 彼、故郷のアステリア領で騎士職に返り咲いたんでしょ? 高収入! でしょ?」
ハナヲ 「それがさ、彼のお給料、荘園領地からの徴収米とやらで。どう換金したらえーんか、ちーとも分からへんねん!」
かんなぎ「あ、名案! だったらお米屋を開業したら良いんですよ!」
ハナヲ 「イニサラセ!」
かんなぎ「……え? なんて?」
ハナヲ 「何もナイデス」
かんなぎ「さて、お題ですね。どーぞ」
ハナヲ 「幼少期の……ハア。ほんまテンション奪う天才やな、まったく」
かんなぎ「ひとつ良い事を教えてあげましょう」
ハナヲ 「え! なになに?」
かんなぎ「今日で大方の会社のお盆休みは終了です。まだまだ暑さは続きますが、仕事は待ってくれません。明日は月曜! ああ! サイコー」
ハナヲ 「……あんなぁ。わざとやな?」
かんなぎ「わざとでーす。……と言うのもですね、逆にわたしたちの【企画オープン一気掲載企画】が今日で終わるわけですよ。わたしたちにとっては、ようやく遅れた夏休みがやって来るわけですよ!」
ハナヲ 「……そっか、なるほど!」
かんなぎ「うえーい」
ハナヲ 「いえーい」
かんなぎ「つーことで、改めてお題です」
ハナヲ 「小学5年のときに、6段変速の自転車を誕生日プレゼントに買ってもらってさ。近所のヤツら誰もそんなの持ってなくって。嬉しくて、イキって、あっちこっち乗り回したの」
かんなぎ「それはそれは。ありがち体験ですね」
ハナヲ 「でもさ、半年もすればギア変速の操作にも飽きて、全くしなくなって。更に半年後にはギア部が固まってレバーが動かんくなって、変速出来なくなっちゃった。へへっ」
かんなぎ「速攻潰しちゃったんですか。親が聞いたら泣きますね」
ハナヲ 「そのまま約半年後くらいにはガレージの隅で砂ぼこり被ってバイバイの放置。……可哀そうな話やんね」
かんなぎ「センパイの性格が可哀想ですね。センパイに当たった自転車は、とにかく不運です」
ハナヲ 「で、その頃さぁ」
かんなぎ「まだ続けるんだ? えぇ、はいはい」
ハナヲ 「みなさんヨーヨーって知ってます?」
かんなぎ「縁日とかお祭りで『バシャバシャ』するヤツでしょ?」
ハナヲ 「惜しいっ。それは水ヨーヨー。水風船ともゆーのかな」
かんなぎ「違うものなんですか?」
ハナヲ 「そう。昔、スケバン刑事で麻宮サキが武器にしてたモノ」
かんなぎ「分かります、分かります。こう、プラスチックの本体に糸が巻いてあって……現物、実家の家探ししたら出てくると思います」
ハナヲ 「当時さ、コカコーラのデザインが一番人気で他にはスプライトとかあってん。……で各地で競技大会が開催されて、わたしの町内でもそのイベントが開かれて」
かんなぎ「おお! 出場したんですか?」
ハナヲ 「いーや、見てるだけ―。でもね、随分技の練習したんだよ? 振り子時計とか、犬の散歩とか」
かんなぎ「自分の散歩ですら出不精でしないセンパイが、そんな技をマスター出来るわけが無いじゃないですか?」
ハナヲ 「ご名答。何一つマスター出来んかった。さっき話題にした自転車で遠出して、コカコーラデザインのヨーヨーをゲットしたなぁ……って思い出しただけ。自転車さん、有難うございました」
かんなぎ「うっうーん。リンちゃん今日もまーたまたひとつ、お利口になっちゃったものなー」
ハナヲ 「次回もまた、会うっちゃ!」
かんなぎ「……次回は今月26日の水曜日予定でーす。もし間に合ったら19日に掲載しまーす」
控室にて