表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

2歳 -1-

 乙女ゲーム『月にこゐして、我が君よ』の六条薫子(ろくじょうかおるし)、通称『香の君』は、悪女である。


 この『月にこゐして、我が君よ』、通称、月コイは竹取物語をベースに考えられた乙女ゲームである。

つまり、ヒロインはかぐや姫であり、攻略対象として五人の公達と帝が出てくる。

そして、ヒロインある所に悪役姫(あくやくれいじょう)あり、それこそが香の君である。



 左大臣を父に持つ彼女は気に食わない身分の下の者には、権力と財力の限りを尽くし、ある時は虐めて自害に追い込み、ある時はならず者に襲わせ、ある時は嬲り殺す。また彼女は相手が自分より身分が上でもあきらめない。相手を呪い、妖術により妖怪をけしかけ、狂わせる。この世の我が儘、傲慢、悪を舐りつくしたのがこの香の君である。


 さて、なぜこんな話をしたかって皆様不思議であろう。



 なぜなら、私が香の君だからだよっっっ!




 思い出したのは、つい先程、2歳にもなり、安定して歩けるようになったため、調子に乗った私は母に会いたくてこっそり母の部屋に向かった。



 そこで初めて見たのだ、自分の顔を。



 銅鏡(かがみ)に映った私はカラスの濡れ羽色の艶やかな髪、()にも()にも見える()()()()()()のような不思議で()()()瞳にそれを縁どる漆黒の長い睫毛。雪のように真っ白な肌に紅を刺したように赤い唇。それらが作り物のように綺麗に収まっている自分の顔を見て思った。




 いやまじ、ファンタジーすぎん?




 そのまま私は気を失ったのである。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ