プロローグ
初めまして味噌田楽です。
唐突に思いついた異世界ファンタジー、全世界の忙しい人が見て笑ってくれたらいいなと思います。
後、何書いていいかわかんないのでこの辺で、じゃあ楽しんでください!!
- プロローグ -
2019年の春、今を生きる20歳の俺。佐々木 晴翔は社会人一年目で、会社から追い出され、絶賛アルバイトも出来ずに、ハローワークに通いこんでいた。
今日も今日とて仕事が見つからず自炊のスキルもさほど高くないので今日はコンビニ弁当だ、やる気のないコンビニ店員の声となじみ深い音楽を聴きながら薄暗い道を歩く。
まさかギリギリで内定貰った会社が、ブラック企業だったとは…まあ選べもしないからそのまま勤めることになって多少なりともお金のある生活だったが…
「いつ思い返しても、やっぱり悪いことはしてねぇんだよな」
ぽつりと呟いた言葉は風に攫われ消えていく。
俺は社内でセクハラをかます上司をぶん殴って一発退職をくらったのだ。
流石に殴ったこともあり、全く悪くないとは思っていないが、俺は見過ごせなかった。
嫌がる女性社員の速水さんを見て、再三の注意を無視し挙句の果てにビ〇チ発言、それに対する速水さんの涙なんか見たら、気が付いたら殴っていた。
どよめく社員に頬を抑える上司、やっちまった…と思ったけど、上司の口癖を聞いて思わず怒鳴ったのが余計気に障ったんだろう。
「なんか、何でもやりすぎると悪になる…か」
公園のベンチに座り、安いビールを開ける。一気に流し込むと空になった缶を握りつぶし、ごみ箱の中に投げ捨てた。元野球部なめんなよっ!!と1人で叫んで虚しくなって静かに再びベンチに腰掛けた。
今頃自分は仕事してたな…仕事無いのマジ天国とか言ってるやつらスゲーわ。暇すぎて死ねる…
「なんかなんでのいいから仕事したいわ…」
「へー、今どき珍しいこと言うな」
耳元でした声にびっくりしてベンチから立ち上がり、慌てて距離をとると俳優なのでは?と思い込んでしまいそうなぐらいのイケメンが立っていた。
さらりと揺れる銀髪に、琥珀のような瞳。スラっとした鼻に、整ったパーツ。誰が何と言おうと俺の目の前に絶世の美男がいた。
ケタケタと笑うその姿も、ドラマのワンシーンのようで、どこかにカメラがあるのではないか探してしまう程だ。
こんなにイケメンなら人生楽しいだろうな…
「お前面白いな、採用」
「は、はぁ?」
採用…?俺はいったい何に採用になったんだ?
刹那、首が絞められたかのように息が詰まる。なんで、と呼吸を整えようにも元の呼吸の仕方が分からない。
俺は、今までどうやって息をしていたっけ?
呼吸のできない俺は倒れ、視界が霞みイケメンは、俺の目を手で隠した。
「正義を貫くものよ、常世に眠れ。そして傲慢と正義の間で真の正しい道を見つけよ」
何のことだ?と疑問に思いながら俺は暗闇に飲まれた。
暗い暗い空間に、ポツリと立っていた。一面真っ黒ではあるが足元はしっかりしていて…ゆっくりではあるが突っ立ってるよりマシと思い、前に進んだ。
何分だったかもしれない、いや下手すると何時間か歩いてやっとたどり着いたのは、大きな扉の前、扉近くには、先程のイケメンが立っていた。
「…俺は死んだのか?」
「ああ、死んだな」
「じゃあ次に行くとこは三途の川か?」
というとクスっと笑う。何がおかしいと言えば彼は、口を開いた。
「お前は死んだけど死んでない」
「は?」
「自己紹介がまだだったね。俺の名前はミカエル。正義の天使と名高い大天使ミカエルさ」
大天使ミカエル。誰もガイドは聞く名前だ。しかし、いや、しかし…
俺は、大声をあげて笑った。
ミカエルはじっと俺を見つめ、笑い終わるのを待つ。
「満足したか?」
「いやぁ、死んでも冗談が聞けるなんて思ってなかったなぁ‥」
「冗談じゃないんだが」
「いやいや、天使なら羽ぐらい生やして…」
その時、純白の羽が6つ。先程までなかった天使の輪が、頭の上に浮遊している。
ポカーンとしてみていると、ミカエルはクスっといたずらっ子のような笑みを浮かべ
「おら、羽根も輪もあるぞ」
「…お前が天使なのは俺、無宗教なんだけど行くのはイエス様のとこなのか?」
ミカエルは、羽根と輪をしまうと、首を横に振った。
まさか地獄か?上司を殴ったからか??殴ったからなのか??
もしそうなら上司を地獄の底から恨むんだが。
しかしミカエルから言われたのは意外な言葉だった。
「これから俺らは異世界に行く」
「…は?」
異世界??異世界ってあの異世界??スマホとかなくって魔法でなんかするあの異世界?
しかも転生って…まさか俺…
「転生される為だけに死んだのか?!」
「正確に言えばお前は殺人未遂、悪意のあるやつに殺されそうになったんだ」
あれ??俺死んだの??しかも呼吸苦しいな~って思ったら、てっきりミカエルに連れてかれる為だけに死んだと思ってたのに…
どうやら違うらしい。恨みを持っていると言えば上司とかぐらいしか思いつかないな…
「ん、待ってくれ。殺人未遂って言ったか?」
「言ったろ、死んだけど死んでないって」
つまり、俺の身体は生きてはいるが、ここにいるから殆ど死んだようなものだと…
いや、転生するのだから死ぬのでは?あれ??
わかんないがまあ会って数分のミカエルがなんも聞いてこないとなると、きっと大丈夫なんだろう。ミカエルは信用できると何となく。本当に何となくだけど
「ところで異世界で何すんだよ。ドラゴンとか魔王でもいてそいつをぶっ飛ばすのか?」
「いやないない。魔王なんてとっくの3000年前に倒したから」
「え」
まさか異世界転生系あるあるの魔王とか凶悪なドラゴンとか倒しに行く系じゃないのか?損で女の子に囲まれるハーレムとか作るんじゃないのか??
そうすると、ミカエルがニマニマ笑う。
「まさか、異世界転生したし魔王かなんか倒して俺スゲーでもやる予定だったのか?うわはっず」
「うるせぇな!!悪いか女の子にキャッキャウフフされたいと思うのは悪いことかよおお!!」
明らかに引いた顔、軽蔑の目。
止めてくれよ、そんな目で俺を見ないでくれよ…
「それにお前、正義がなんたらかんたら~って言ってたからそういうバトル系を想像しただろう?」
「あれはテンプレ」
「かっこいいテンプレだな。畜生」
「まあ、勇者にはなれないが異世界でいい仕事ついて女の子にモテようぜ」
「ミカエル…お前良いやつだよな…」
俺はミカエルに手を差し出すと、ミカエルはパチパチとさせた。
俺はさらに手を出すと、首を傾げながら手を出したので、その手を掴み、握手をする。
「これからよろしくな、相棒」
「…ああ。よろしく」
ミカエルは微笑み、手を離すと目の前の大きな扉を開ける。
目の前に広がった景色はどこも現実味がなくて…
「ようこそ、俺の守護下の国“ユウスティーツ王国”へ」
最後まで読んでいただきありがとうございます!
始めたばかりで分からないことだらけですが、楽しんでもらえたらと思っております。
ここには社畜近況報告など載せられたらいいなと思っております
次回も読んでいただけると嬉しいです。