表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/27

炎の画家とティータイム

 学と旭を見送った胡十子と西島智子は向かい合ってソファーに座り、紅茶を飲んでいる。


「胡十子様。どうして、たいした事は起こらないと嘘をおっしゃられたのですか?」


 西島智子が表情を変えず、真っ直ぐ胡十子を見据えて言った。

 桐谷龍二が現れたことに疑問を感じたんだろ。胡十子が可笑しそうに笑う。


「嘘じゃないわ。実際、たいした事には、ならなかったじゃない。桐谷龍二は学に危害は加えたけど、ケガはさせなかったでしょ」


 胡十子は皿からピンク色のマカロンを一つ摘み、力を込める。パリッという音を立てマカロンの両面が割れた。胡十子は口の中に放り込み、咀嚼すると、それを紅茶で流し込んだ。


「トモちゃん、私ね。幸せになりたいの。好きな人のお嫁さんになる。それが私の小さい頃からの夢」


 西島智子は何も言わず、ティーカップに口をつける。

 胡十子がティーポットの取っ手を掴んで、自分のティーカップに紅茶を注ぐ。波紋が静まり琥珀色の液体の表面に胡十子の顔が映る。


「学は私と幸せにならなきゃならないの。その為の試練だと思って学には頑張って貰わなきゃね」


「戦闘向きの能力では無いのにですか?」


 西島智子の表情が少しだけ曇る。

 それを見た胡十子が面白そうにクスクスと笑い声をあげる。


「戦闘向きの能力じゃないからこそだよ。その為に戦闘向きの能力者を学と組ませているんでしょ。戦闘向きの能力じゃ無くても十分役に立つんだって、学には自信を持って欲しいんだけど、まだまだ先かなぁ」


  素敵な力なのにね、と胡十子が独り言のように呟く。

 西島智子が僅かに微笑を浮かべ頷いた。

 二人は同時にティーカップを手に取り紅茶を飲んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ