はじめまして
「よっこいせっと!」
オッサンのような声をだしながら、雨宮ユキは最後の段ボール箱を玄関に置いた。
1Kのアパートの玄関には、たった今自分が運んだ段ボール箱が3箱置かれていた。
今日から初の一人暮らしが始まる。自分が住むのは、築10年で1Kの家具家電付きの割に、家賃3万9千円と中々にリーズナブルな木造アパートだ。
ここで、私の新生活は始まる!!
アパートでの一人暮らしといえば親元を離れ、自分一人の力で生きていく自立の証明だ。そして、なんといってもアパートの隣人との新しい出会いも待っている!
どんな人が住んでいるかな?
期待に胸を膨らませつつ、ユキは一つしかない部屋の窓を開け放った。新鮮な空気が室内へ吸い込まれていき、、、そして、生暖かい空気となんかウ○コっぽい臭いも私の鼻孔へと吸い込まれて、、、
「、、、いや臭いわぁぁぁ!!え?何この臭い!?」
ここは閑静な住宅地の中に佇むアパートである。
ユキは思わず、ベランダに出て辺りを見渡し臭いの元を探した。見渡すばかり家ばかりだが、、、
すると、、、
アパートの左隣の部屋の窓が勢いよくガラガラと開いた。
「うぇっ、、、!くっせ!ゲホ、、、うぇぇぇ!」
少年がベランダに躍り出てきた。柵にもたれかかり、今にも吐きそうな様子を見せている。
ユキが呆気にとられていると、少年はユキの存在に気付き、頭にクエッションマークを浮かべた顔で、ユキを見つめた。
私も、少年の2、3倍は大きいクエッションマークを頭に浮かべて少年のあどけなさの残る顔を見つめた。
少年が先に口を開く。
「あ、、、も、もしかして、、、ゲホ、、、あ、新しく引っ越してきた、、うぇ、、人?」
苦しみ悶えながら少年が声を絞り出す。
「は、はい。はじめまして、あ、雨宮ユキと言います」
少年の発する謎の圧に押されながらユキは答えた。
「あ、、、うぇ、、ユキさんね。俺、だ、伊達ヒロトっていうんで。よ、宜しくおね、、、おぉぇぇぇぇぇぇぇえあ!!!!!」
少年の嘔吐物が私の顔面めがけて飛んできたところで私の意識は途絶えた。
これが、アパートの隣人、伊達ヒロトとの出会いだった。




