民生
この物語は全て創作であり、モデルはありません、
織子は、まぁ、あり得ないと思ったが、隣に住んでいた当時の少年を探してみる事にした。
別に探し出してどうしたい訳でも無かったが、なにか、明に関係無い行動をしたかったのだ。
そう、織子より四歳下なんだからもう、27歳ぐらいのいい青年になっている筈。人によっては結婚した子持ちだろう。
果たして、久々に親への小遣いと兄夫婦へのお土産を持って実家に行ってお隣さんの様子をなんて事なく聞いてみる。
すると、その子民生は、最近、離婚したと言うでは無いか!
素晴らしく美しい、良家のお嬢様の妻だったが、掛かりつけの医者と浮気して民生にばれ、離婚になったらしい。
うそか誠か、今は実家に戻って1人娘とと共にのんびり生活に戻ったとか?
『お前、昔よく民生君の勉強見てやってたろ。可愛がってたもんな。挨拶して来いよ。ご両親は海外だし、今1人で暮らしてるよ』
と、兄が懐かしそうに言う。
まぁ、可愛がってた意味が少しずれてるけどさ....
織子はそのつもりで実家に立ち寄ったので、夜、それらしい車が止まってるのを見て、シーバスとチーズを持って、何気に挨拶しに出かけてみた。
久々に会った民生は、意外にも織子との再会をすごく喜んだ。
丁度寂しかったのかもしれない。
『織子先生だぁ!何年ぶり?わぁ、上がって上がって!飲もうよ』
と、大はしゃぎでは無いか。
織子は、最初ちょっと不安だった。
だって、何回かとはいえ、秘密を共有した少年と少女。普通は会いたく無いでは無いか!
そして、結果的に言えば、偶然となり行きではあったが、織子は離婚して落ち込んで居た初体験の相手の民生と付き合う事にもなったのだ。
今度は家庭教師の女教師と男子生徒なんて怪しげな関係では無く(まぁ、民生はバツイチなのは目をつぶるとして)織子と民生は大人の恋人同士となった。
民生とは縁があったのだろうか?身体の相性が良い?初体験の相手は忘れられない?
とにかく、織子と民生は、なかなか熱い時間を共有するようになった。2人の何年も会わなかった時間を取り戻すように....
明がいつもの様に誘われて時、織子は6年間で初めて言った。
『ごめん。私、彼氏が出来たんだわ。だからもう、明とは遊べない』
最初に体験した男と、またとりを戻す織子。これで良く訳分からずの明と別れられるかな?