表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/15

13:スキルポイント

急いで打ち込んだのでいつもより短いです。後々加筆訂正するかも知れません。

 

 魔物達に気配を悟られないように岩陰を進む。

 身を隠すには丁度いい大岩が点在しているので潜むには十分だ。

 相手の感知能力を予測して距離をとるようフレア様から指示をされながら少しずつ距離を縮めて行く。


 オーク(戦士)5匹から10mの距離まで近付いていた。他の群れとは離れているので肉眼で見える距離にはいない。

 俺は大岩に登り姿勢を低くしながら弓に2本の矢を番えながら矢を放つ。矢は2匹のオークの首に命中した。

 続けて今度は3本の矢を番えて放つ。2本は2匹のオークの首に、1本は少し狙いが外れてオークの肩に命中した。

 矢を放つと同時に裕太とノエルが走り出しオークと対峙する。

 裕太は"勇者の攻防"で聖剣と鎧を纏っている。裕太が剣を振り下ろすと、オークの棍棒とぶつかり合い激しく火花を散らす。

 ノエルは2本のナイフを左右に浮かべながら短剣を構える。素早い動きで攪乱しながら短剣と、時にはナイフを操りダメージを与えていく。ただ、パワーで負けてしまうので無理に止めを刺しに行かないように指示を出してある。


 今度は雷属性を纏った矢を3本番えると、フリーになっているオーク3匹に向かって放つ。

 矢を放つ際に風魔法でそれぞれの軌道を操り同時に複数の矢を敵に命中させているのだ。

 矢に雷属性を纏わせつつ、風魔法で軌道を操った事で、同時に二つの属性の魔法を使っている事になる。

 フレア様によると、一般的にはひとつの属性魔法単体を扱うのが普通で同時に二つを使おうとする人は居ないらしい。居ないと言うか制御が難しく扱えないと言う方が正しい。

 しかし、俺の場合こうしたい・こうしたらどうだろうといったイメージで試してみたら出来た....といった具合だ。これによって、技術スキルに複合魔法Lv.1が増え、魔力操作がLv.2に上がった。

 二つの属性を同時に操れる者がいないので『複合魔法』と言うのは通常ではない魔法らしいので、俺の異能ギフト"具現化魔法"が作用したのではないか、と言うのがフレア様の見立てだ。


 雷属性を纏った三本の矢は3匹のオークの頭に命中した。2匹は即死したが、1匹は浅かったようで両手と膝をついて倒れるにとどまった。

 そこに1匹目を倒し終わった裕太が剣を振り下ろし首を切断する。

 続けて雷属性を纏った矢をノエルと戦っているオークの頭に放つ。命中して体勢を崩したオークの首元をノエルが短剣で掻き切る。


 あっという間に5匹のオーク(戦士)を倒し終わると裕太が死体を回収する。

 いつもなら戦闘が終わると走って戻ってくるノエルだが、今回はさすがにオーク(戦士)との1対1の戦闘に疲れたらしくその場で座り込んでいた。

 見ていた限りではオーク(戦士)の攻撃は全て躱していた。しかし、攻撃スピードがかなり速くパワーもある為当たれば大怪我は免れない。それを全て躱さなければいけない緊張感と避け続ける為の体力の消耗が激しかったのだろう。

 俺はノエルの傍まで走り寄る。


「ご主人様~ぁ。」

 疲れて座り込むノエルを抱き起してやる。

「よくやった。頑張ったな。」

 抱き上げると俺の首に腕を回し抱き付いてくる。褒められてとても嬉しそうに尻尾がパタパタ揺れている。


 裕太も死体を回収して戻ってきた。

「弓矢の同時攻撃、なかなかいいじゃないか。雷と風の複合魔法だっけ?それもかなり使えるな。」

「そうだな。3本同時だとまだわずかに狙いが外れるけど、これから精度を上げていくよ。纏めて3本矢を射るなんて非常識かと思ったけど、やってみたら出来るもんだな。風魔法での制御のお陰かな。さすが異世界、なんでもありって感じだよ。最終的には5本ぐらい同時に射ってみたいんだけど。」


 俺達はノエルを抱えながら次の群れが居る方向へ進む。

 途中おにぎり〔おかか〕を出してノエルの体力回復を図る。

 オーク(戦士)1匹とゴブリン(ウィザード)3匹の群れが肉眼で見える頃にはノエルの体力は完全に回復していた。


 岩陰に潜みながら群れから15mの距離まで近付く。しかし先程の戦闘と違うのは、この群れから30m先にオーク(ウィザード)2匹とトロール1匹の群れが肉眼で確認できる。

 最悪こちらで戦闘を始めるとあちらの群れに気付かれてこちらへやって来る事になる。そうなれば7匹同時に相手をしなければならなくなる。

 幸いトロールは動きが鈍いので大丈夫だろうが、魔法使い(ウィザード)型のゴブリンとオークが5匹いるのは要注意だ。

 俺や裕太と比べてノエルのステータスはまだ低い。油断して攻撃を食らってしまえば致命傷だ。

 攻撃を始めたらなるべくスピーディに倒し終えて次の群れを向かい撃つ。今回が初めてのランクCとの戦闘だ。


「手前の群れのゴブリン(ウィザード)3匹は風魔法の"エアカッター"を使ってきます。奥の群れのオーク(ウィザード)2匹は雷魔法の"サンダーボルト"を使ってきます。十分注意して下さいね。」


 フレア様が注意を促す。俺達3人は頷く。

 俺は岩の上から3本の矢に雷魔法を纏わせ手前のゴブリン(ウィザード)3匹を狙って矢を放つ。

 それを合図に裕太はオーク(戦士)に、ノエルはゴブリン(ウィザード)1匹に切りかかった。


 2本の矢はゴブリン(ウィザード)の首元に命中。しかし3本のうち1本は狙いが外れ肩に命中した。

 襲撃に気付いたオーク(戦士)が怒りの咆哮を上げながら棍棒で裕太の剣を払いのけた。

 その咆哮は20m先まで近付いて来ていたもう一つの群れ、オーク(ウィザード)2匹とトロール1匹にも届き、オーク(ウィザード)2匹も怒りの咆哮を上げながらこちらは走り出した。

 ノエルは狙いの外れたゴブリン(ウィザード)に走り寄り、短剣を振るっていた。浮かべたナイフも攻撃に取り入れているがゴブリン(ウィザード)の風魔法ではじかれているようだ。


 首元に命中した2匹はまだ息があり魔法を唱えようとしていた。

 俺は2本の矢をもう一度その2匹に撃ち込む。今度こそ2匹は絶命した。

 オーク(戦士)を倒し終わった裕太が、物凄い形相で走って来るオーク(ウィザード)2匹に向かい走り出した。

 俺も岩から飛び降り走りながらノエルが戦っているゴブリン(ウィザード)に向かって矢を放つ。矢は左胸に命中し絶命する。

 ノエルも走り出した俺達の後に続いて走り出していた。


 オーク(ウィザード)が"サンダーボルト"を放つ。裕太が"ファイヤーボール"で相殺する。

 俺は風魔法でスピードを増した矢を撃ち込む。矢はオーク(ウィザード)2匹の膝を貫いた。

 裕太が剣を振るう。剣はオーク(ウィザード)の胸を切り裂いたが致命傷には至っておらず怒りの咆哮を上げる。裕太は返す剣で右腕を切り落とす。

 ノエルはその間もう1匹のオーク(ウィザード)の足元を走り回り攪乱する。走り回るノエルに苛立ちオーク(ウィザード)は"サンダーボルト"を放つ。ノエルはスピードを上げ全てをギリギリで避けきった。俺はオーク(ウィザード)の顔面目掛け矢を放った。矢は左目を貫く。オーク(ウィザード)が顔面を押さえ後退った隙を、ノエルは見逃さなかった。ナイフを操りオーク(ウィザード)の首を掻き切り倒した。

 裕太もオーク(ウィザード)の胸を貫き倒している。

 その間にトロールが5m程近くまで迫っていた。


 俺は2本の矢でトロールの目を潰す。トロールは絶叫した。裕太が炎を纏わせた剣を振るいトロールの足に切りつけた。トロールはバランスを崩し膝をつく。俺は"サンダーボルト"を放った。

 大きな地響きを上げてトロールの体は地面に倒れ込んだ。



「終わったぁぁぁぁぁ!!」


 裕太が"勇者の攻防"を解除し大きく伸びをする。


「ご主人様ぁぁぁ!」


 ノエルが抱き付いてくる。


「二人共お疲れ。思ったより良い連携が出来たんじゃないか?」

「そうだな。しかし、戦ったら腹減ったな~。」

 昼飯を食ってさほど時間は経っていないが裕太の胃袋はもう消化したらしい。



 ランクCが3匹も居たお陰で、この戦闘で俺達はそれぞれのレベルアップした。俺と裕太はレベル5に、ノエルはレベル4になった。

 技術スキルも、俺の雷魔法がLv.2に、裕太の剣豪がLv.4に、ノエルの念動力がLv.2に上がった。

 これまでの戦闘とレベルアップでスキルポイントが35Pまで貯まっている。どうやらレベルアップ毎に+5P、ランクCの魔物1体討伐で+5P獲得するようだ。討伐数は個人ではなくパーティとしてカウントされるようで、裕太やノエルにもランクC3体分が加算されている。

 ゲームのように「パーティを登録しました。」と言うような明確な手続きを行ったわけではないが、この世界の仕組みとして自然に加算されるようだ。

 レベルアップする為の経験値でさえ、ソロで討伐した時とパーティで活動した方がレベルアップが早いことを理解しており、冒険者達も必然的にパーティで活動する事がおおくなるのだ。


 俺が他の仲間を召喚する為には最低100P必要だ。

 ちなみに、このスキルポイント、通常は一定数ポイントが貯まると技術スキルを獲得する事ができる。俺のような転移者や裕太のような召喚者は、ゲームのようにスキルポイントに応じて自分で欲しい技術スキルを選んで獲得する事ができるが、この世界の一般的な人々は獲得できるスキルがあらかじめ決まっており、その獲得条件(この場合必要スキルポイント)を達成するごとに新しい技術スキルを得る事が出来るらしい。

 これは全てフレア様の受け売りである。


 俺が100P獲得する為にはレベルアップだけではまだかなりかかりそうだ。

 積極的にランクC以上の魔物を倒したり、迷宮ダンジョンの宝箱から稀に出るSP玉を手に入れたりする必要がある。


 迷宮ダンジョンと言うのは、大きな物では迷宮大国タバスにある地下迷宮だ。この迷宮ダンジョンは縦にも深く横にも広く大規模な迷宮で、未だ誰一人として完全制覇した者はいないらしい。この迷宮大国タバスは俺達が目指しているハバート大橋から渡った次の大陸よりも、その先にある海底トンネルを通った三つ目の大陸にある国だ。

 いずれは行ってみたいがまだまだ遠い場所である。

 では、それ以外に迷宮ダンジョンはないのか?

 フレア様によると、迷宮大国タバスの地下迷宮ほど大規模な物はないが、小規模~中規模の迷宮ダンジョンは他にもいくつかあるようだ。


 迷宮ダンジョンとは自然発生する地下空間で、地上とは違う独自の魔物が発生したり、宝箱が発生したり迷宮の通路も全く変わらない迷宮ダンジョンもあれば不定期に変わってしまう迷宮ダンジョンがあったりと、未だ解明されていない謎の多い場所なのだ。


「フレア様ならそんな迷宮ダンジョンの事も知ってるんじゃないですか?」と俺が質問すると、にっこり笑って「企業秘密です。」と言われた。

 管理世界の企業秘密とか、凄く興味がある。

 でも、フレア様は教えてくれそうにないので諦める事にした。


 いつの間にか、裕太はリュックから食べ物を取り出し歩きながら食べている。


 ノエルは念動力のレベルが上がったので、操れるナイフが1本増え3本を同時に浮かべて歩いている。『風』属性の魔法を少し纏えるようになってきたので操るスピードも上がっている。『風』を纏っているので、この念動力で操るナイフの事を"風刃ふうじん"と呼ぶ事にした。

 するとノエルの技術スキルに"風刃Lv.1"が増えた。


 これも俺の具現化魔法の影響らしい。無意識に考えただけで他人の技術スキルが勝手に増えるとか...。


 俺の魔力の総量も影響しているらしい。なんてったて∞だからね。







感想、評価お願いします。

今回もギリギリで書き上げました。誤字脱字報告お願いします。



※一部誤字修正しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ