『お前の母ちゃん、でべそ』に隠された本当の意味!?
この囃し言葉を検索して見るとビックリ。
えっ、そういう意味なの。
「でべそ」って女性性器の形の特徴を表してる?
更にそれは誰にでも股を開く、つまり淫売って意味が隠されてる!?
または、その事実を知ってるという事で相手母親と性交渉をもてる立場にあると示して力関係を暗示している!
英語の「サノバ●ッチ」(以下「サンのやつ」)や「マザー●ァッカー」(以下「マザーのやつ」)に対応する言葉が日本にもあったのか!!
と妙に納得させられた。
いやぁ、一瞬納得し掛けたがこれってこじ付け。
なんか参考文献ってのがあるが・・・・もう一度言う、これってこじ付けだ。
たしかに女性性器の形状を表すのに「でべそ」とかは、ありえそう。
どこかの飲み屋での関連会社への接待の席で「昨日抱いた女、下の方もでべそでねぇ~」と嫌らしい笑みを浮かべながらし下ネタ自慢をする男の姿、なんてのは容易に想像できる。
だからと言って「でべそ」から、女性性器の形状って考えると疑問が残るのだ。
そこまで飛躍するのだろうか、考察してみた。
一昔前、人前で赤ん坊にお乳をあげている母親の姿は普通にあった。それに女性の胸が顕わになった絵画なんかも、ぱっと頭に思い浮かぶ。
だが「へそ」はというと、確かに直ぐには思い浮かばない。
言い方は変だが、「へそ」にスポットライトが当たりだしたのはビキニが一般的となった近代なのかも知れない。
という事は「へそ」には、やはり女性の隠された部分と言う意味合いがあるのだろうか。
そして「でべそ」にも、ああいう意味合いが隠されているのだろうか。
何かヒントはないかと春画、浮世絵、裸婦、海女などの日本の昔の画像を検索してみるが、眼福を享受した以上の意味は見出せなかった。
少なくとも「へそ」はエロに通じるのかもしれない。
この囃し言葉を検索した時に、もうひとつ目に付いた言葉がある。
「ははまき」「おやまき」という見た事が無い言葉だ。
「はは」や「おや」はそのまま「母」であり「親」で「まき」は「枕を共にする」という意味だそうで、「ははまき」「おやまき」は「おやごろし」と並べらられる禁忌であり、母子相姦を表す言葉だと結論付けている。
そして正に「マザーのやつ」に対する言葉なのだ、と説いている。
気になったので出典の「宇治拾遺物語」の解説を読んでみた。
「宇治拾遺物語」が書かれた平安時代(通い婚が普通だったと言われる時代)の僧侶が出てくる話のなのだが・・・。
恐れずに自分が感じたままを表すと「ははまき」のニュアンスは「マザコン」である。
確かにこの言葉の中には母子相姦のタブーを含んでいるのだろう。だがあそこで使われているのはもっと軽い意味、まさに「まざこん」ぐらいが適当な感じがする。
そして「マザコン」も極論すれば同様の意味が含まれているのだ。
乱暴な言い方をする。
「マザーのやつ」自体が「そんな根性のないやつは母親とでもやってろ」という意味で「そんな根性のないお前は、マザコンか」という言い回しも同じような意味を含んでいる。
(ただし「マザーのやつ」の言葉の根底には実際にそういう行為を行っていた事実が含まれいるそうで、なおかつそれが人種差別を指す言葉にもなっているようなのです。だから日本の「マザコン」とは同列に扱ってはいけないのかもしれません)
百歩譲って「マザーのやつ」に対応する言葉が昔から日本にもあったんだ、というのは認める。
だけど、だからといって「サンのやつ」に対応する日本語があれだ!!と言われても納得はできない。
視点を変えてみる。
まずこの囃し言葉は、なぜ「お前は、でべそ」ではないのか?
これは簡単に理解できる、言われた方が自分の「へそ」を見せれば反論できるからだ。
だからといって短絡的に、その場では反論できない「お前の母ちゃん」って事になるのだろうか。
確かに、囃し言葉を言ったその場はいいだろう。
だが、言われた子供は家に帰って母親の「へそ」を見て、事実と違うと確認するだろう。
そうすれば、この囃し言葉はすぐに力を失ってしまうのだ。
もう少し掘り下げてみる。
なぜにこの「でべそ」という悪口が成り立つか考えてみる。
これもある程度は理解できる。「はげ」などと同じ身体的特徴を攻撃する言葉ではあろう。
だが正直私には「でべそ」を差別する感覚が理解できない。「でべそ」の女の子が目の前にいたとしたら、可愛いと思うのだ。
そんな事を言う私は、「はげ」を可愛いと呼ぶ女性と同じマイノリティーだと呼ばれるかもしれない。
実際には「でべそ」を気にしている者がいて、この悪口を言われたら傷つくというのはもちろん理解できる。
けど、この囃し言葉がここまで一般的になる理由とは思えない。
前提条件が間違えているのだろうか。
今度は「でべそ」その物に注目してみる。
調べてみて、乳幼児には多いと言う事実を再認識する。
だが、子供に対して「お前は赤ん坊と同じ」だと囃し立てるのは分るが、「母ちゃん」に対して言う物ではない。
もうひとつ分った事がある。
否定しているサイトもあったが産婆さんなどの臍の緒の処理の問題で、一昔前は「でべそ」が多かったという事実だ。
しかも臍ヘルニアと呼ばれる物もある。
私が想像していた凹んでいない「でべそ」と違い、完全に腹部から飛び出している「でべそ」である。
まさに漫画ドラ●もんにおけるジャ●アンの「でべそ」だ。
たしかにあそこまで飛び出していたら、「でべそ」という身体的特徴がコンプレックスになるのも理解できる。
私の微かな記憶では、ジャ●アンが「へそ」の事を馬鹿にされて怒っていたシーンがあった。
今考えると酷い話だが、だがあの場合もやはり事実で合ったとしても直接本人に言っているのだ。
なぜに「母ちゃん」になるのか分らない。
さらに調べいき、ようやくヒントになりそうな物が見つかった。
妊婦さんがまれに「でべそ」になるという物だ。
お腹の中の子供が大きくなり、腹部の筋肉が薄く引き延ばされてしまうのが原因だそうだ。
そこから考察してみる。
もしかして「母ちゃんでべそ」の「母ちゃん」は「妊婦さん」だったのではないか。
今よりも沢山の子供を生んでいた時代、妊婦さんが「でべそ」になる確立は高かったのではないだろうか。
さらに考察を進めてみる。
もしかしたら銭湯などで友達の母親が妊娠しており、そのお腹を実際に見てビックリしたのではないだろうか。
生命の神秘である不思議なお腹を見てしまった悪がきが、からかいたくなる気持ちは分らないでもない。
が、それを直接口に出してしまうと妊婦さんへの悪口になる。
ちょっとやそっとの言い回しでは、すぐに大人からゲンコツが飛んできたのではないだろうか。
だからこその「でべそ」だったのではないだろうか。
言われた方も、母の妊娠・出産と構って貰えない寂しい思いが募っており、出産後はさらに母の愛を奪う者が現れるのだ。
この囃し言葉をいわれた子供が心に深い傷を刻まれたとしても不思議じゃない。
多産だった時代、さらに言った方もその当事者になる可能性が高いのだ。
そして同じ言葉を返されるのだ。
結局は「母性」には結びついたが、その根底にながれるのは自立しようとする子供心だったのではないか。
そこから波及して「お前の母ちゃんデブ」も「でべそ」になったのではないか!?
そう、全部「でべそ」のせいにしてしまえ!!
現代人には理解できない「お前の母ちゃんでべそ」という囃し言葉。
でも、なんか私はこんな風に甘酸っぱい思いを秘めてるって方が好きだ。
以下、直接的な表現になります。
今回、調べるまで”You are mother-f●cker”の事を”Your mother F●cker”で”Son of a bi●ch"と同じ意味だと思ってたんですよね。
”Mother-f●cker”の根底にある物には驚愕しました。
ちなみに”Son of a bi●ch"に対する日本語ってありますよね。
今はもう聞かないですが『妾腹』
出生を貶め成長後すら否定する言葉です。
祖父の時代には普通にありました。
10月29日 改稿