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魔王のぼくと農民のきみと無職のあいつ  作者: 木島冴子
魔王の家族
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魔王の家族4


ぼくらの住むこのシラカバの里では人間と魔族が共存するという新しい試みが行われています。


そして、人魔平和条約によって魔族の長である魔王がこの試みに参加することが義務となっています。だからぼくはこの里で暮らさなければいけません。


ぼくは人間と共存するために新しい魔族の国のあり方をここで考えていきたいと思います。


あの戦争でぼくは両親やたくさんの同族を亡くしました。でも、それは人間の姉ちゃんも同じでした。誰もが悲しむことは二度とするべきではないと思います。


現状、元魔王の降伏によって魔族は敗北したかもしれませんが、人間に隷属するつもりはありません。戦う以外の方法で彼らと向き合うつもりです。


それをよく思わない同族や人間がいることもたしかです。


あれだけ長くつづいた戦争です。お互いにそう簡単に許しあえるものではありません。


新しい魔王になることでこういった人達から攻撃をうけるかもしれない、と兄ちゃんと姉ちゃんは忠告しました。


それでもぼくが魔王になることを承諾したのは二人がぼくと約束してくれたからです。


姉ちゃんは魔族を滅ぼそうとする人間から、兄ちゃんはぼくの排斥をたくらむ魔族から、守ってくれると。


ぼくはこの「家族」が気に入っています。


それに、これはまだ計画中ですが、ほんとうの意味での家族になることもできます。


姉ちゃんとぼくが結婚すれば、ぼくらは真の家族です。兄ちゃんはもともと少しだけ血がつながっているので家族といえなくもありません。


もし、そうなると初の異種族婚姻で困難はたくさんありそうです。しかし、ぼくはあきらめません。


今は十二歳の子どもかもしれませんが六年後には十八歳、人間でいう成人です。その頃、姉ちゃんは二十四歳。ちょっと年上ですが、ぼくはかまいません。


姉ちゃんの理想の男になれるようぼくは日々精進しています。


ただ心配なのは兄ちゃんの存在です。ぼくが姉ちゃんと結婚したとして、今のままだと、家にいつもいる、うるさい小舅になりそうです。


それだけは勘弁して欲しいです。



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