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【短編小説】無人島のSOS

作者: 木野キヤ
掲載日:2026/05/10

 現実から逃げたくなる。


 理想から逃げたくなる。


 自分から逃げたくなる。


 誰でもいい。誰でもいいから話を聞いてほしい。そんな願望から、SNSにこんな文章を投下した。


 ーーいつもこんなことを思うーー


 ーー自分はなんて醜いのだろうーー


 ーー理想ではこうなりたいと願う自分ーー

 

 ーー現実ではこうだったと諦める自分ーー


 ーーこの対比にいつも頭を悩ませているーー


 ーーいつしかこの夜景と自分をも比べているーー


 ーー比べても仕方ないのにーー


 ーー理想と現実のギャップにに目が眩みそうだーー


 ーーいつしか自分がわからなくなってきたーー


 ーーだれか私を見つけてくれーー


 これはただの独白だが、誰かに助けを求めたSOSでもある。この文章をSNSに投稿することは、世界中の利用者に見られるというリスクを負う。ただ、私のような無名の一般利用者が何気なく投稿した文章に目を奪われることなんてない。そう言った諦観を込めている。

 これは世界中の誰でも見れるが、私しか知らない無人島のSOS。


 でもやっぱり気づいてほしいから少し大きな声で言ってみる。

 「私はここにいるよ……」

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