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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

受刑者リスト

作者: ぴゃまりょ
掲載日:2026/04/24

「受刑者リスト」

 

 サノ タケヒコ(43)

 2018年、当時35歳だったサノは都内のコンビニエンスストアにて強盗事件を起こす。ちょうどレジ付近にいた女性客にナイフのようなものを突きつる。その際に勢い余って腕を切りつけてしまい、錯乱したサノはレジ業務をしていたスタッフに掴み掛かった。幸いスタッフの命に別状はなかったが両腕ともに傷を負う。そのまま女性客とレジの金の一部を奪い逃走したが、現場付近にて巡回していた警官に取り押さえられる。現行犯逮捕で懲役8年。

 サノは8年の刑期を終え、3週間前に出所した。刑務所では特に他の受刑者と群れず、黙々と、1日1日を過ごしていた。

 出所して10日後、彼は再び事件を起こした。

「殺すつもりはなかった、刑務所の生活に戻りたかっただけだ」

 取り調べて彼はそう言ったそうだ。

 

 事件当日。都内でアルコールを摂取したサノは8年前と同様コンビニエンスストアに入り、所持していた刃物を10歳の少年に突きつけた。近くにいた少年の友人は店の外に飛び出して助けを呼んだそうだ。スタッフはサノに落ち着くように伝えた。

「要求は?金なら渡すから、その子を離しなさい」

 サノは、少年を掴んだまま刃物をそのスタッフに向けた。そのままにじり寄り、目に涙を溜めながら。コンビニの外には野次馬が集まり始める。安全圏からの傍観者に睨みを利かせて刃物を持ち直そうとした時、暴れた少年の喉に深く突き刺さってしまう。一瞬の静けさのあと、外からは女性の悲鳴、少年は激しく痙攣をし始めてあっという間にサノの手や足元には血が広がる。動脈を突き破った切先は無理に引き抜かれてしまう。

 サノは、その場にしゃがみ込んで、傍で倒れる少年の亡骸の肩を揺らした。

「殺すつもりはなかったんです。外の世界は苦痛でした。気を使わないといけないし、協調性がないと生きていけない…意見が合わないと仲間はずれにされる…刑務所の生活は楽でした…話さなくても働いてさえいれば、満足に食事にありつけて…私の理想の生活は刑務所の中にあったんです…前と同じで強盗をすればまた戻れると思いました…あの少年には悪いことをしました…彼が暴れなければ死ぬことはなかったんですけど…子どもは何をするかわかりませんから…大人はそれに振り回されて困りますね…死刑になったら最悪ですけど…刑期が前よりも伸びるなら結果オーライって感じですね」

 

 受刑者リスト

 サノ タケヒコの場合 

 

 ※これは作り話です。物語に登場するキャラクターや事件にモデルはございません。

 

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