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余命宣告を乗り越えた幼馴染の愛が重い  作者: ミソネタ・ドザえもん
第十三章

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73.相性が良い二人

「綾香、いきなりどうしたの?」


 門倉さんは能天気な顔をしながら高垣さんに尋ねていた。

 いきなりの高垣さんの提案、申し訳ないが、俺も今、門倉さんと同じ気持ちを抱いていた。


 一緒に海に行こう、か。


 まさか……あの他人に興味がないと思っていた高垣さんがそんなことを提案してくるだなんて、少し意外だった。


「実は……目の前にいる二人に、夏休みが始まったばかりの時に色々とお世話になってね」


 高垣さんの前にいる二人……。

 つまり、俺と奏を見ながら、高垣さんは門倉さんに言った。


「それで……つまり、何? その時のお礼って言うのかな」

「何それ。めっちゃエモい」


 門倉さんは楽しそうに微笑んでいた。


「綾香がお礼と口にするのなんて初めて聞いた。お礼参りなら何度か聞いたことはあったけど」

「まあ……あたしの周りには、あんたみたいな奴ばっかりだったからね」

「あはは。褒められて嬉しー」


 褒められている……のか?

 というか、初めてまともに門倉さんと接してみて思ったけど……この人、実は結構、能天気な気分屋なのだろうか?


 毒気がある時に接すると怖いが、毒気がない時に接すると怖くないというか……ちょっとポンコツ、というか。


「あれ? ちょっと待って。綾香今、奏ちゃん達へのお礼で海に誘っているって言ったよね?」

「うん。言ったね」

「じゃあ、あたしを呼んだ意味は?」


 ……鋭い指摘。


「まさか……海に誘う意思もないのにとりあえず呼ばれたの? 友達を海に誘う現場を拝ませたかったとか? あはは。まさかそんな酷いこと、するわけないか」

「そうだけど」

「嘘でしょ!?」

「嘘だけど」


 門倉さんは抗議の視線を高垣さんに送っていた。

 その視線を浴びて、高垣さんはニヤニヤしていた。


 ……なんというか、息ピッタリだなぁ。


「綾香、そんな性格悪かったっけ?」

「悪かったでしょ」

「うん。悪かった」

「あんたも負けず劣らず、性格は悪いけどね」

「そんなことないよぅ。思ったことをすぐ口にするだけ」

「確かに」

「でしょ?」


 ……つまり、悪気はないけど、口は悪い、と。

 性格が悪いより、たちが悪くないか?


「……あんたのせいで話が逸れた」


 高垣さんは余程、話の腰を折られたことが癪だったのか、門倉さんを睨んだ。


「というわけで、この前のお礼も兼ねて、四人で海に行きましょう」

「……えぇ」


 困惑気味な態度を見せたのは俺。

 まあ、無理もない。

 何せ、高垣さんに海に誘われた男女比は、一対三。

 ただでさえ女子に対する免疫がないのに、揃いも揃って可愛い異性ばかりだし……難色を示したくもなる。


「……ねぇ、綾香」

「何」

「まあ、あたしを海に誘ってくれたことはわかったけど、結局あたしはどうしてあんたに誘われたの?」

「難しい話じゃないわ」

「そうなの?」

「えぇ。何せあたし、あんまり海で遊ぶこととかないから。だから、パリピなあんたにイケイケな海水浴場を案内してもらおうと思ったわけ」

「あたし、パリピでもないしイケイケな海水浴場なんて知らないよ?」

「え」


 高垣さんは門倉さんの反応を予想していなかったのか、目を丸くしていた。


「……ほ、本当?」

「うん。なんかごめん」

「……いいえ、あたしがちゃんと事前に聞かなかったのが悪いわ」

「とりあえず、明日一緒に探してみようか」

「えぇ、そうしてくれると助かる……。ありがとう」


 ……なんだかんだこの二人、相性は良さそうだなぁ。


「というわけで、海水浴場は明日探して連絡するから。水曜日、予定空けておいてね」


 高垣さんは、俺と奏を交互に見て言った。


「……あの、高垣さん」

「言っておくけど、敦君」


 俺の言葉を先読みした高垣さんは、俺を睨みつけた。


「あなたに拒否権はないから」


 ……そんなぁ。

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― 新着の感想 ―
女難って他人事だと羨ましいけど、現実では絶対に実体験したくないものだなぁ…… しみじみとそう再確認できる不穏なモテ期もどき到来の敦君ですが、動じないにも程がないかいこの男^^; 高垣さん&門倉さんの仲…
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