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境田が語る菜摘未3

「とにかく菜摘未さんと一緒に居ると飽きが来ないんですよ」

 これにはハア? と思わず身を乗り出しそうになった。菜摘未はところ構わずオーバーな動作を伴って語りかけてくる姿には身が引けたのに。此奴はその反対に益々魅力的に感じ取ったのか ?

「例えばどうなんだ」

 車はないのでデートは電車かバスになる。それで良く菜摘未が我慢したのが今も不思議だった。バス停では人が居るからじっと待つ。郊外の無人駅なんかでは、ホームのベンチに座る僕の前で、彼女は歌舞伎役者みたいに、大上段に大見得を切るシーンをやってくれる。何だそれはと言えば「だって列車が来るまで退屈なんだもん」とケロッとして言い切られた。これには思わず心の中で嗤った。

「でもどうも違うんですね」

「何が?」

 彼女の行動の一挙手一投足が。僕に向けられていないじゃないかと感じられる。それほど自分に関心を持たれているとは、今の段階では思えない。

「じゃあ誰か別と人の為に振る舞っていると言うのか? 君の目の前で」

「そうとは言い切れませんが、少なくとも僕の反応を見るためで無いことは確かでしょう」

 そう言う現場を思い浮かべてみても、デート中に以前の菜摘未には、そんな列車を待つ余暇時間が在っても、絶対に見慣れない光景だから、小谷は怪訝そうに境田の顔色を窺った。

「それはいつもそうなのか」

「無人駅になる郊外には余り行きませんが、なんせ私の実家が田舎なもので……」

「エッ! 菜摘未が君の実家に行ったのかッ」

 信じられん。と喉元まで出掛かったが、境田の名誉のために押し留めた。 

「一度だけです。彼女が観てみたいと言われて……」

「それで彼女の印象は?」

「悪くないわねえって、どう言う意味でしょう」

 それは俺が訊きたい。一体、菜摘未は何を考えているのか益々混迷を極めた。


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