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千夏の考え3

「そりゃあそうでしょう。さっき会った十和瀬は他人事みたいにあのでかいタンクと睨めっこして当てにならないからなあ」

 あの酒なら高級品で景品を付けなくても良いのだが。

「菜摘未が言い出した酒。進物用の詰め合わせに加えればどうかなあー」

「でも、お中元まで半年あるわねぇ」

 小谷は強引に菜摘未が勧めるなら、代替え案として述べたが、実質は菜摘未の本気度を確かめるためだ。これには千夏も同意した。

「それはあなたから言ってもらうしかないでしょう」

 そうねと千夏も納得したが、義妹の本音はもっと根深い所に在ると睨んでいる。これは小谷も気付いているが表立って避けていた。

「問題は香奈子さんね」

 エッ! それは何が何でも飛躍しすぎ。

「向こうの気持ちはどうなの?」 

「悪くないようです」

「それはあたしでも解ります、が、その先はどうなってるの」

 それがハッキリしなければ、義妹は此の商談を推し進めるでしょう。と暗に言っているだけに難しい問題だ。

 香奈子さんの話だと、妹は子供の頃から計算式に取っ組むのが得意でも、不得意な記述問題に多くの時間を費やしても、直ぐに飽きられたそうだ。これは小谷も同感だ。数式で割り切れる問題を解くのを得意としてきた菜摘未が、投げかけて来た不得意な問題だけにどこまで信じられるかだ。

「もし菜摘未が此の商談を使って、人の気持ちをすり替えて、こんな風に持ち出して解決しょうとしているのなら、これは僕の手に負えない、全く関与してない千夏さんしかいないんですが……」

 ウ〜ンと一捻りしてから千夏さんは同意してくれた。 



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