表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/169

十和瀬の考え1

 小谷は境田から聞いた菜摘未の提案に疑問を感じている。ひとつは、なぜ本人が来ない。二つ目はなぜ昔の彼を寄越した。此のふたつからなぜ彼女は俺に会うことを避けているのだ。

 小谷は十和瀬酒造へ引き返した。事務所では千夏さんから「朝、来たのにいつから日に二回も注文を取りに来るようになったの」と冷やかされた。此の感触で矢張り今日、境田が持って来た話は、菜摘未の独断で動いていると感じた。

「十和瀬の奴、いるか?」

「山西さんが発酵は安定しているって言っているに。相変わらずもろみの入ったタンクと睨めっこしてるわよ」

 そうか、と嗤うと陣中見舞いだと称しておくの工場へ行った。

 十和瀬は十和瀬酒造の前掛けをして、腕を組みながら大きな酒樽を眺めていた。

「そうしていると酒の発酵が進むのか」

 と冷やかしてやった。十和瀬は小谷を見て愁眉を解いて「どうした?」と二度目の来訪に首を捻った。

「菜摘未が可怪おかしな事を言ってる」

「妹に会ったのか?」

「いや、代理だッ」

「代理?」

「境田だ」

 何で彼奴あいつが。お前の店へわざわざ出向く必要なんかどこに有ると謂う顔をされた。

「何しに行ったのだろう?」

「俺もそう思った」

 小谷は境田から聞いた菜摘未の提案について話した。十和瀬は別に驚かない。それどころか薄笑いさえ浮かべている。

「なんだ、心当たりがあるのか」

 心当たりどころか、菜摘未は家の中では一番歳が近い妹だ。あいつのやることは家の誰よりも知ってるつもりだ。菜摘未がそこまで会社の為に尽くすとは、今の段階では考えられない。今は小谷祥吾と謂う男から頭が離れないはずだ。そこから導く結論はひとつしかない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ