シーズン1 第2話 ドラゴンの卵
ゴツゴツとした岩肌が続く薄暗いダンジョンの中を、バザンとその仲間たちは慎重に進んでいた。彼らが一般的なスカベンジャーと一線を画すのは、その目的が通常とは異なることだ。彼らが血眼になって探しているのは、他でもないドラゴンの卵だった。
ガランとした広間でいくつかのお宝を見つけ、今日の成果に満足しかけたその時、バザンはふと、壁の一部に違和感を覚えた。注意深く調べると、それは巧妙に隠された階段であることが判明する。他のスカベンジャーなら見過ごすような些細な手がかりだったが、彼らの研ぎ澄まされた感覚が、この先に「何か」があると告げていた。
軋む音を立てながら階段を降り、さらに奥へと続く細い道をしばらく歩くと、突如として視界が開けた。そこはこれまでとは比べ物にならないほど広大な空間で、中央には巨大な祭壇が鎮座している。そして、その祭壇の聖杯に収められていたのは、まさに彼らが追い求めていたもの――深淵の闇を湛えたかのような、おぞましいほどに美しいドラゴンの卵だった。
バザンは恐る恐る両手を差し出し、ゆっくりと卵を持ち上げた。その重みと、かすかに伝わる脈動に、成功を確信した次の瞬間、背後から不気味な声が響
その時、地を這うような低い地鳴りが響き渡った。ドォォン、ドォォンと、心臓に直接響くような轟音がダンジョン全体を震わせる。
地割れが起き、その中から現れたのは、生ける伝説と化した存在――スカルドラゴンだった。朽ちた骨と禍々しい魔力で構成されたその巨体は、一歩踏み出すごとにダンジョンを揺らし、その眼窩に宿る怨念の光
は、バザンと3人を見ていた。
「ドラゴンの卵を奪う者、許すものか…!」
スカルドラゴンが咆哮を上げ、部屋全体が震える。カイは手に握った卵を強く握り締め、ゴードンは斧を、リリアは弓を、フィンは杖を構えた