3 謝罪
マリエールは家族に、王子に、クラスメイトに謝った。
3 謝罪
金曜日に医者が来てマリエールを診察した。熱を測ったり喉を確認した。月曜日から学院に通っていい事、食事は家族と一緒でいいが柔らかいものから始めるように言った。解熱剤と鎮痛剤は頓服として風邪薬は飲み切りにするように指示があった。
夕食の時家族に謝罪した。王子の婚約者は妹の方が相応しいとも言った。父親は王子の気持ち次第だと言った。
学院に行くともう王子は登校している。マリエールは王子のところに行き謝罪した。王子は、
「知っていて指摘しなかった私も同罪だ。これから良くして行けばいいさ。」
と言って貰えた。クラスメートにも謝罪した。クラスメート、違うクラス、他学年の学生との交流を深めた。その中で気になった事がある。下級の貴族や愛人の子どもなど仲間に溶け込めない学生が多い事が気になった。マリエールは王子に相談した。
「マリエールがその様な者達を気に掛けるとは以外だな。その者達を社交会に呼んではどうか。もちろん私も出席する。
公爵家で社交会が開催された。開演は王子とマリエールが一緒に各テーブルを周り挨拶した。その後はマリエールが女子学生を王子が男子学生を面接した。大半は有力貴族の子息や令嬢を紹介する事で済みそうだ。でもそれだけでは済まない事もある。
ジョゼフィーヌは風魔法が堪能な子爵の愛人の子どもだ。才色兼備の学生で学院で箔を付けて嫁に出したい。ところが学院で恋人が出来た。男爵の息子だ。とてもじゃないが父親が納得しないと思うそうだ。
もう一人のシルビアは水魔法が得意な男爵の愛人の子ども。魔法の切れ、スピード、強さどれをとっても一流だ。学力、体育、芸術にも優れた才色兼備の美少女だ。気立ても良くマリエールのお気に入りだ。シルビアは国の機関での就職を考えており応援したいが親の希望とは対立するだろう。
王子とマリエールは紹介状を書いて渡す。受け取った方は大喜びだ。マリエールはシルビア達に何時でも相談に来てと伝える。
王子はマリエールが立場の弱い貴族達の援助にあたった事を褒めた。マリエールは市民の救済をしたいのだけど、年齢も力量も足りないから取り敢えず足元の学院生から始めたけどここで止まる事無く援助を続けるつもりだ。王子にも協力して欲しいと伝えた。
王子は婚約して2年、マリエールと向かい合う事が苦痛だった。しかし親の決めた婚約、破棄するには親の同意が必要だ。王子には国王陛下や王妃が悲しむ姿を見たくない。それがマリエールが暫く休んだ後突然の謝罪とコミュニケーション、そして立場の弱い貴族の救済に動き出す。外見は変わらないが、中身かまるで変わってしまった。婚約破棄を願ったのが嘘のようだ。メイド達に混じって片付けに勤しむマリエール。メイド達に言われこっちにやって来る。
「王子ありがとうございます。お陰様で彼らを救えそうです。 これからも人のため、国民のため出来る事をやって行きましょう。」
何かの間違いであっても構わない。今この時私はマリエールを愛している。
マリエールと王子は、仲間が居ない貴族達の救済にあたった。王子はマリエールを始めて愛した。