ミモザの誘惑
若干過激な表現あります。
「お姉様?!どういうことですの?」
「こういうことさ。」
春花の問いかけにオルガ伯爵が答える。軍服の腰のベルト外し、上着のボタンを外し脱ぎ捨てる。そしてブラウスの第2ボタンまで外す。
「あなた女だったの?!」
春花はオルガ伯爵の胸の谷間に目をやる。
「そうだよ。私は女だ、いや女だった。あの時までは。」
オルガ伯爵の名前はバイオレットという。3つ下のカメリアという妹がいた。妹は幼い頃からバイオレットになついてどこへ行くにもくっついてきた。夜も1人で眠るのは怖いからと言ってバイオレットのベッドに入り一緒に寝てしまうのだった。
「私はそんな妹が大好きだった。だけど彼女が16の時彼女は死んだ。デビュタントボールで踊った男に暴行されて自ら命を絶ったんだ。それっきり私は男を信用できなくてね。誰とも結婚せず私が爵位を継いだ。そして男になったってわけさ。だけど1人じゃ寂しくてね、カメリアの代わりになる娘を探していたのさ。最初はこの姿で声をかければ少女達も着いてくる。だけど女だって分かると皆私を拒むんだ。それが許せなくってね。」
春花は硬直して言葉を失った。少女達が行方不明になる事件の黒幕は彼女だったのだ。
「まさか本当は貴女がキララさんを?!」
「人聞きの悪い事言わないでくれ。キララさんには何もしてないよ。あの娘は妹とは似ても似つかない。用はないよ。」
バイオレットは春花を抱き起こすと香水を振り掛ける。ミモザの香りがした。
「カメリアはこのミモザの花が好きだったんだよ。こうしてあげると喜ぶんだ。」
春花を膝の上に座らせるとドレスの胸元に手を入れ唇を重ね合う。
(この人狂ってるわ。)
頭ではそう思う一方ミモザの香りに包まれていたいという気持ちにも抗えない。バイオレットの口づけを嫌ではなかった。
「春花ちゃん脱いで。」
バイオレットは春花の着ているドレスのホックを外していく。ドレスは床に落ちる。キャミソールとペティコート姿になった春花は再びベッドの上に放り込まれた。
「こういうの初めて?」
「はっはい。」
頬を赤く染めた春花が答える。
「じゃあ私がじっくり教えてあげる。」
バイオレットは春花に覆い被さると再び唇を吸う。しかし
「うっ」
突然春花の上に倒れ込む。
「バイオレット様?!」
背中にはナイフが刺さっていた。背後でメイド服のカサンドラが立っていた。
「カサンドラさん?!どうして?」
「この女が姉さんを殺したのよ。」
カサンドラは背中のナイフを抜き取ると大量に血が飛び散る。