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ミモザの花のお屋敷  作者: 白百合三咲
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キララの悲劇

 翌朝春花含む舞踏会の出席者は全員オルガ伯爵の屋敷の広間に集められた。

 舞踏会で落雷が落ちた後キララの姿が広間になかった。例の失踪事件を思い出し舞踏会は中断。手分けしてキララを探すことになった。男性の招待客がキララを部屋に連れ込んだなどと疑われたがその場に男性客が全員いたこと、どの部屋を探しても見つからなかったためその仮説は成立しなかった。

 大雨で帰ることもできず全員が屋敷に泊まらなければならなくなった。

そして今朝雨もやみ庭の掃除をしようとした女中が庭園の噴水にキララが倒れてるのを発見した。うつ伏せの状態で発見された。おそらく溺死だろう。キララの遺体と共にミモザの花が浮かんでいたという。

 当然昨晩は大雨で来客も来れるような状態ではなく、舞踏会に遅れてきた者もいない。必然的に出席者と屋敷の使用人全員が容疑者になってしまったのだ。

 警察が来ると別室で1人ずつと事情聴取を受けるとキララと親しい関係のある者だけが屋敷に残された。その中に春花も入っていた。春花の他にはピエール、ナターシャ、オルガ伯爵、バロンド公爵夫妻、そして遺体の第1発見者でもあるメイドが残された。 

「貴女は?」

春花はメイドの顔に見覚えがあった。

「貴女昨日の。」

彼女は花祭りであった花売り娘であった。彼女はニースの街に住むカサンドラという名の少女だ。

 警察が来ると再び事件の経緯を事細かく説明される。

「まず被害者はキララ・ド・バロンド。バロンド公爵家のお嬢さん。死因は溺死。死亡推定時刻は夜10時。」 

落雷があった時間だ。犯人は落雷で暗闇の中キララを庭に連れ出し殺害したのだろう。

「それなら女性に犯行無理ですわ。」

声をあげたのはバロンド公爵夫人だ。

キララの捜索は男性だけで行われた。その間女性達は広間に残されていた。

「春花さんもナターシャもそちらのカサンドラさんもいました。カサンドラさんにはお茶も入れて頂いたので。わたくしが証言します。それに昨日の大雨。庭に出ていたらずぶ濡れになってしまうわ。」

女性陣のアリバイは立証された。

容疑者は男性に絞られた。

「あの、ミモザの花が遺体の隣にあったのですよね?」 

今度は春花が口を開く。ミモザの花が噴水の泉の上に浮いていたのはカサンドラも警察も確認している。

「でしたオルガ伯爵は犯人ではないと思います。」

 春花はキララから聞いていた。ミモザの花をオルガ伯爵にプレゼントしようと。

「もし彼が犯人ならミモザの花は彼の元にありますわ。」

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