幼馴染と僕と牛乳の話。
牛の乳と書いて、牛乳。
牛の乳だから当然だ。
「かっちゃん、牛乳飲まないと大きくならないよ!」
給食時間、いつも幼馴染のシノブから言われた言葉だ。
「別に大きくならなくてもいいもん」
「だったら、頂戴」
そういって、シノブはいつも僕の牛乳を飲んでくれた。
けれども、残念なことにシノブの身長はなかなか伸びなくて、牛乳を飲まない僕のほうが高くなってしまった。
「牛乳たくさん飲んだのに、なんで身長が伸びないの!」
高校生になって、シノブはとうとう牛乳を飲むのをやめてしまった。
でも僕は思う。
十分大きいのではないかと。
……牛の乳。
シノブの……はデカい。
でもそんなこと、とんでもないけど言えない。
だけど、僕の視線はいつもシノブの……を彷徨ってしまう。
ごめんなさい。
でも、シノブ。
牛乳の影響はあったと思うよ。それだけは思う。
くだらなくて、ごめんなさい。