表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

母の追憶(2)

 私は新しい村の結界を飛び出し、村の大人でも、滅多に来る事は無い森の奥をドキドキしながら探険していた。


「お姉ちゃん!見た子供がない草木がたくさん生えてる!」


「レイラ!奥に行くと、危ないよ!

魔獣や人攫いが出るって、村の人達が言ってたよ!」


「まだ、大丈夫だよ。それよりお姉ちゃん!

何か、ここに来た記念になる物を探そうよ!」


「待って!レイラ!」


私はお姉ちゃんが止めるのも聞かずに辺りをドキドキしながら探索していた。

結界をちょっと離れただけで、村の周りでは見なかった、小動物や植物がたくさんあって、私は外国にでも来た様な気分になっていた。


「レイラ、もう本当に結界から離れ過ぎだよ···」


そんな、お姉ちゃんのつぶやきが聞こえたが

お姉ちゃんは、楽しく無いのだろうか?

お姉ちゃんに悪いと思いながら、次は一人でゆっくり来よう、と思っていると ふと、違和感がある場所が目に付いた。


「お姉ちゃん! あそこの辺りちょっと変じゃない?


そこは木の根元にあったウロを、さらに掘った様な感じの場所だったが、掘られ土が周りに散らばり、辺りのも景観を乱していた。


「お姉ちゃん、あの木の根元、動物が掘ったにしては雑過ぎ無い?

ちょっと見て見ようよ。」


「レイラ!止めなさい。魔獣かも知れないよ!」


「大丈夫だよ!こんな結界の近くに魔獣はいないよ!

親とはぐれて、、まだ巣作りの仕方がわからない動物か何かだよ。」


「そんなのわからないでしょ!?

お願いだから、もう帰りましょう?」


「じゃあ、ちょと覗いたら、帰るよ。

そんなに心配なら、お姉ちゃん魔法の準備して、ここで待っててよ。

私も魔法の用意はして行くから。」


「レイラ!」


「大丈夫!ちょとだけ!」


私は心配性のお姉ちゃんにちょっとだけ、ウンザリしながら、そしてとてもワクワクしながら木のウロに向かった。


(中に何がいるかな?可愛い物だと良いなぁ)


木のウロに着いて、そっと中を覗こうとした時、低い声が聞こえた。


「誰かいるのか?」


(人!?こんな狭い所に!?

どうしょう? でも、村には皆いたはずだし···誰?)


「だ、誰ですか?」


「驚かしてすまない。俺は、南の開拓村から冒険者だ。森の調査に来たら魔獣に襲われて怪我をしてしまった。水と食料もきれてしまって···

何か持っていたら分けてくれないだろうか?」


「魔獣がいるんですか⁉」


「いや···魔獣は俺が倒したから大丈夫だ···」


「(絶対、村の外の人だよね···どうしょう···)

お姉ちゃん!人がいる!」


「えっ!?嘘!!誰?」


「村の人じゃない!怪我してるって!」


「私もそっちに行くね」


冒険者は少し驚いた様子で


「まだ、人がいるのか?この辺りに集落はあるのか?」


「お姉ちゃんと一緒に来てます。近くにエルフの村がありますけど、結界があるので、村の人以外は入れません。」


「そうか···エルフか···」


それが私のエルフの村の人以外との初めての出会いだった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ