母の追憶(1)
私の名前はレイラ·シルフィードという。
エルフには家名が無くシルフィードとは風の大精霊シルフィード様の加護を受けているという意味だ。
私はエルフの冒険者だ。いや。冒険者だったというべきか···
私はオークの盗賊討伐という、本来ならそれ程難しく無いクエストで、仲間をすべて失い、武器と防具を奪われ、オーク達に慰み者にさて子供まで産まされてしまった。
すべてを奪われた私にもう一人で逃げる気力も無い。
私の他にもオーク達に連れて来られた娘達もいるが全員が商人や村娘で協力しようとしても足手まといにしか、ならいだろう···
オークという種族は雄しか存在せず。亜人であれば、どの種族の女でもオークの子を産まさる事が出来る。
エルフの私には、全く似ていない、豚の顔した赤ちゃんを抱きながら、今までの事を考える
私はどこで人生を間違えたのだろう?
私は深い森の中のエルフの村で生まれ育った。
エルフという種族は他の種族より寿命が長く、その為か周りへの興味薄く、ほとんどを瞑想し自分の思考を中で過ごしている。
だから人口が少ない村でも、人付き合いが希薄で、家族であっても1日、会話が無い事も珍しくなかった。
そんな生活を幼い私は嫌い退屈して、歳の近い姉のライラと村から抜け出して遊んでいた。
「お姉ちゃん。今日は祠の向こうに行こうよ!」
「駄目だよ。レイラ!祠の向こうは結界が切れルーズから魔獣が出るよ!
見つかったら絶対に怒られるよ!!」
「大丈夫! バレないよ! 今は見張りもいないから!」
「何でわかるの!?」
「最近、ずっと調べてたから!」
私は大冒険をするドキドキで、お姉ちゃんの制止も聞かず走り続けていた。
「レイラ!待って!」
お姉ちゃんもわたしを心配してか、息を切らしながらも付いて来てくれている。
(祠が見えた! 私は冒険するんだ!)
そして、結界の祠をも超えた先で、私の人生に大きな影響を与える出会いがあった。