状況確認(2)
赤ちゃん生活にも慣れてきた。
エルフお母さんはメチャ可愛いし、もう、親子とか関係無く恋しちゃう。
それしか楽しみが無いからね。
いつも母乳を貰う時はドキドキしてしまう。
そして、いつも優しく微笑みながら、撫でてくれて、顔を近付けて、俺にしか聞こえない、ささやく声で話しかけてくれる。
『∑∆∈∇∝≯···。√‡£€$℉℃』
言葉は全くわからないけど···
俺の名前と挨拶とかだろうか?
早く言葉を覚えて、母さんとお話したい。
母さんは喜んでくれるだろうか?
しかし、いくら俺の母さんが可愛いくて、赤ちゃん生活が慣れてきていても、此処の生活レベルが低過ぎる!!
オムツは葉っぱ、母さん達の食器も葉っぱ。
寝床は少しの藁があるだけ。
見張りのオークの武器も、棍棒か石斧だ。
(異世界ファンタジー創作物の定番は中世ヨーロッパ風のはずなのに、これなら石器時代だ!!)
と、最近まで思っていたけど、たまに見かけるオークが鉄の胸当てを付けて、腰に剣をぶら下げていた。
また、陶器の食器で呑んだ暮れてるオークも見た事があった。
(この世界は、鉄製品や陶器が作れる位の文明はあるみたいだ。
母さん達が、葉っぱばかりなのは自殺や反乱の時に武器にさせないためか···
まぁ、自殺防止が主な理由だろうなぁ)
他に気づいたのは、このオークの集落が略奪で生計を立ているという事だった。
(まぁ、狩りに行ったのかと思ったら、毎回 荷馬車を引いて帰ってくればねぇ)
そして、縦社会で上下関係がハッキリしている。
頭は鉄兜、鉄の胸当てに剣を装備して、幹部らしき奴らは革の鎧に鉄製の鍬や斧を持ついるが、下っ端は腰蓑に棍棒という有り様だ。
しかも、一度襲撃に出ると下っ端の何人かは帰って来ない。
また、直ぐに新しい奴が補充されるが···
(こいつ等が盗賊稼業を選んだのか、オーク全体が盗賊集団なのかは気になるな···)
(気になったところで、言葉がわからいから調べられないしけど、オークという種族がどう見られ出るといるかによって、此処を出た時の選択肢が
大分 変わってくるぞ。
将来、盗賊とか絶対に嫌だ。母さんも連れて絶対に逃げ出してやる)