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第四十ニ話 世界の裏側、恐ろしや

「こっちの世界の住人……?よく意味が解らないんだけど……」

「私達が住む表の世界とこの裏側の断片世界は世界のルールが異なるんすよ」

「……ごめん全然わかんない」

「私も説明がむつかしいんすけど、んーだいぶニュアンスとしては違うかもしれないんすけど、エーナさんって川に潜ったまま生活ってできるっすか?」

「できるわけないじゃない。息が持たなくなって死んじゃうわよ」

「そうっすよね、ルールが違うっていうのはそれに近いんす。エーナさんが水の中で生きて行けないように普通の人……魔法使い以外の人間はこの世界では生きて行けないんすよ」

「魔法使い以外って、私はまだ魔法使いじゃないよキャト」

「いやまあそうなんすけど……。言い方が悪かったっす、魔法使いというよりは魔法使いの素質がない人はダメなんすよ。素質がない普通の人間はこの世界に居続ける事がむつかしいっす」

「それってどういう……」

「あー、わかるっすよ。エーナさんが意味わかんないしすぐ理解できない事も。

ただ私もそこまで詳しくわかってるわけじゃないんすよ。わかりやすく要点だけ言うと魔法使い以外の人間がこの世界に入ると徐々に正気を保てなくなって最終的に死んじゃうっす」

「えっ、死んじゃうってどうして?」

「さっきも言ったすけど私も別に詳しいわけじゃないんで細かい理由はわからないっす。ただ言えるのはこの世界は魔法使い以外の人は活動する事自体が困難なんすよ。

だから近道に仕えたとしても化け物がどうこう以前に活用がむつかしいんす。まあ詳しく知りたいならそれこそアピロさんとかに聞いてみるといいっすよ」

「ま、まあわかったわ。とりあえず私達は大丈夫ってことよね」


まだ説明をうまく理解できているわけではないが、なんとなくは把握できた。


(でもキャトの話だと私も魔法使いの素質があるから大丈夫なんだ……)


それに関しては少し安堵した。実際魔法学校に通う事になって魔法が使えないなんて事になったら即刻退学にでもさせられてしまうかもしれないと心の中で不安だったから。あれでも……。


「普通の人がこの世界に入っちゃダメって事はなんとなくわかったけど、さっきキャトが言ってた取り込まれるっていうのはどういう事なの?」

「これについても詳しくは説明できないっすけど、エーナさんや私のようなこの世界でも生きている人間はこの世界に長く居すぎると徐々にこの世界にとりこまれちゃうんすよ。簡単言うとそこらへんの物みたいに色褪せていってこの世界の住人にされちゃうす」

「あーそういうことね……って、何それやばいじゃない!?そんなところに気軽に入るのよ!?」

「そうっすよ、だからこんな場所に好き好んで入る魔法使いは……いやいないというわけじゃないし少なからずいるっすけどたくさんいるわけではないっす。あとすぐに取り込まれちゃうわけじゃないからそんな慌てなくても大丈夫っす。まあ数カ月くらいこの場所に居続けない限りは平気っすよ」

「なんだびっくりさせないでよ」

「でもいればいるほどこの世界に染まっていくすから、元の世界に戻った時にくらくらしたり頭痛がしたりするんすよね。このままアピロさんとの合流が長引いたら表に戻った時に気分が悪くてダウンするかもっすね」

「デメリットだらけじゃないこの世界……」

「だから嫌だったんすよ。ちなみに確かにこの世界にはお宝が存在するっすけど、そのお宝を求めて行方知れずになった人の数知れないっすよ。表でも裏でお宝さがしは命がけっすねぇ……」

「なんでそんな場所に私達を連れてきてまで探しにきたのよアピロさん……」

「あの人には常識が通じないっすからね。ここ数日一緒にいてわかったすけど普通の人はあの行動力は突然の思い付き付いていけないっすよ、身に染みてわかったす」

「まあそうだよね……。そういえばキャトはずっと私達と一緒にいるけど王都の方に戻らなくていいの?」

「いや、もう戻らないとまずいっす。一応先輩には数日エーナさんの付き添いでタリアヴィルの方に行くとは伝えますけど、これ以上開けると雑用も貯まってるだろうし師匠から出されてる課題の方も間に合わないっす。というか本当は今日にでも話付けて戻ろうと思った矢先にこれっすから」

「なんか、ごめんねキャト」


王都からいろいろ巻き込んでしまい、会ったばかりの私の事を気にかけて付いてきてくれているので彼女には頭が上がらない。


「いいっすよ、私もエーナさんと友達になれて嬉しかったし。そんな友達があんなとんでも魔法使いの弟子になるってきいたら心配になるっすよ。

それにエーナさんは……」


その言葉と紡ぐ事無く、キャトは黙ってしまう。

その雰囲気は今までと違い何か重苦しい感じを覚える。


「私が、何?」

「……いや、エーナさんがお人好しだし黙れされやすそうだしでタリアヴィルに行ってやっていけるか心配すぎたって話っすよ」

「なによそれ、別に私はそこまで騙されやすくなんて……」

「騙されやすいっすよ。まあ騙されないにしても見てる感じいろいろなトラブルに巻き込まれそうなタイプですしね、まあここは魔法世界での長ーい経験を積んだキャトルズ・バーウィッチ様が手とり足取り教えてあげようっておもっただけっすよ」

「いやそれ自体はうれしいけど、キャトの年で長いって言われると違和感あるわね」

「エーナさんよりは間違いなく長い間この世界に携わってるから当たってますよ」


魔法に関しては大先輩っすからね、と鼻高々に胸を張るキャト。

また確かに魔法というものに関わってこなかった私よりは彼女の方が大先輩であることは事実だ。


「そういえば、私キャトが魔法を使ってるとこ見た事ないんだけど」

「え、そうでしたっけ?」

「うん、なんだかんだ一緒にいたけど一度もないわ。キャトはどんな魔法が使えるの?」

「あーいやー、まあその秘密っすよ」

「なんで秘密なのよ」

「いやあんまり自分の魔法の事を周りに言いふらすなって師匠に口止めされてるんすよ。それにエーナさんはまだ魔法使いデビュー前じゃないっすか、まだ一応扱いとしては魔法関係者じゃないっすから学園に入って魔法を覚えたら教えてあげるっすよ」

「……もしかしてキャトって魔法使いの?」

「な、なななななにをいってるんすか!?使えます、使えますとも!!こちとら一応は名高い魔法使いの弟子ですよ一応」

「じゃあ教えてよ、いいじゃないの」

「……ダメっす、いまはダメっすーーー」


そう叫びながら彼女は突然その場から駆け出していく。


「ちょっとキャト、ここで待機してようっていう話だったじゃない。どこいくのよ!」


ここでさらにはぐれてしまってはどうしようもない。

そんな急いで私は逃げる彼女の背を追いかけていくのだった。

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