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人界に神が顕現した日 後編

チャールズ達が窓の外に目を向けると…


国全体…いや人界全体にオーロラが広がっていた。

その光景を呆然と眺めているチャールズ達にエトワールが言った。


「君達が人界の平和を維持する限り、ボクは何も言わないよ。ただしひとつだけお願いがあるんだ!」


「簡単な事だよ。「神族」と「魔族」の眷族を虐げる真似だけはしないでね!じゃないとまた流星群が人界に降り注ぐよ?」

チャールズ達は生唾を飲み込むと、エトワールの話を静かに聞いた。


「あ!あと「トーヤ・ヴァレンタイン」にだけはどんな理由でも、たとえ何があっても干渉しない事!それが破られたら……」


「一瞬で人界が崩壊するからね!」

エトワールの力をその目で見た統治者達は、その言葉が真実だと理解した。


「オーロラは1週間くらい残るから、みんなで眺めて楽しんでよ!じゃあボクは帰るね」

そう言って転移を始めるエトワールをチャールズが呼び止めた。


「創造神様!お待ちください!」

チャールズの呼びかけに気付いたエトワールは転移を止めると聞いた。


「何?まだ用事があったかな?」


「統治の件は確かに承りました。しかし我々は無知な為、神族や魔族について知識が乏しいのです。お話を聞かせて頂けませんか?」

その要望に、エトワールは空間から一冊の本を取り出すとチャールズに渡した。


「それを読めばだいたいの事が分かるよ。じゃあもう帰るから…あ、そういえば近いうちに魔王とか天使が君を訪ねてくるから、その時にでも聞いてみるといいよ!じゃあね!」

そう言い残してエトワールは転移した。


チャールズ達は、エトワールが姿を消すとすぐに本の内容を確認した。幸いページが少なかったからすぐに読み終える事が出来た。

しかし内容を理解するのが大変だった。


神界、魔界の存在が明確になった事や、人界の成り立ちについて理解すると、後日話し合いを行う事を決めた統治者達は自国へと戻っていった。


チャールズもさっそく臣下に話をすると、連日会議が開かれた。

主な内容は国民にどう伝えるかという事だったが、良案が見つからず苦悩していた。


そんな日々の中で突然の来訪があった。


使用人から、ベルシュタイン国王を名乗る者が面会を希望していると言ってきた。


その言葉にチャールズは眉をひそめた。

ベルシュタイン、シンシア、ジークハルト、ゼルノアは四大国家として圧倒的な力を持つ国だ。

しかも他国との交流は一切しない事でも有名だったので、このタイミングでの来訪に胸が騒いでいた。


とにかく話だけでも聞いてみるか…

そう考えたチャールズは面会を承諾すると、少しして使用人と共に現れた男の容姿に驚いた。


強国の王だというのに、身に纏う穏やかさと想像より若い容姿だったからだ。

そんなチャールズの考えを知る由も無い男は目が合うと笑顔で言った。


「はじめまして。僕はベル…魔族の代表として挨拶に来たんだけど…座ってもいいかな?」

ベルは笑顔で挨拶したが、チャールズは固まったまま返事をしなかった。


「エトワール様から話を聞いてないかな?」

ベルはそう言って首を傾げていると、チャールズが慌てて返事をした。


「失礼しました!どうぞお掛け下さい」

ベルは頷くとソファーに腰掛けたので、チャールズも向かいの席に座った。

するとベルが話を始めた。


「いきなり来てごめんね?今日は魔神様の命令で挨拶に来たんだ」

ベルの言葉にチャールズが言った。


「わざわざありがとうございます。創造神様から話は伺っていました」

チャールズはそう挨拶するとベルに謝罪した。


「獣人への非道な扱いについては申し訳なく思っています。改めて償いの機会を頂ければと考えておりました」

チャールズの謝罪にベルは言った。


「もう済んだ話だから気にしなくていいよ!それより今後は気をつけてね?」


「そう言って頂けると幸いです」

チャールズは深く頭を下げるとベルが言った。


「うん。それじゃ少し話をしようか。君は…初代の王から数えて何代目かな?」


「私で58代目になります。ベルシュタイン王国には遠く及びませんが、それなりに長く統治しております」


「そうなんだ!あれからもう58代も続いたなんて…ジョージも嬉しいだろうね…」

そう言って目を細めるベルにチャールズは聞いた。


「初代の名をご存知とは…ベルシュタイン国王は我が国の歴史にお詳しいのですね」

ベルはチャールズの言葉に笑顔で言った。


「ジョージが建国した時に知恵を貸したからね。あの頃は交流があったからよく来てたんだよ」

その話にチャールズは戦慄した。


まさか初代の建国当時からベルが存在しているなんて考えもしなかったからだ。

チャールズは驚きながらベルに聞いた。


「ベルシュタイン国王…いや魔王は、それほど長く生きておられるのですね。他の魔王もそうなのでしょうか?」

チャールズの疑問にベルは答えた。


「そうだね。僕はまだまだ短いほうだけど…最近魔王になった「トーヤ」はまだ1年経たないから、彼に比べたら長生きしてるよ」


リチャードはその話に驚く中、とある単語が気になった。トーヤ…確か創造神様から手を出すなと念押しされた名前だ。


チャールズは気になったので聞いてみた。


「今「トーヤ」という名前が出ましたが、どのような方なのでしょうか?」


チャールズの疑問にベルは「トーヤ」の話を始めた。


いつも読んで下さり

ありがとうございます!



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