表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/115

NEET 自分の姿に驚く

翌朝


暗かった部屋に暖かな日の光が差し込んだ。


横にはスヤスヤ寝息をたてて眠るセリナ。

俺はというと、ほとんど寝ることが出来なかった。


昨夜、食事を終えて部屋に戻った

俺達はアイテムボックスから寝巻きを出して

着替えるとベットに入った。

もちろんセリナは俺の隣に寝ころんでいた。


……そこまでは良かったんだけど

セリナは俺の体にがっつり抱きついて寝てしまった。


嬉しいやらドキドキやらで

俺の眠気は完全に吹っ飛んでしまった……

だって、柔らかいんだ。


何が?

何がだよ!!


そんなこんなで、俺は眠気を抱えたまま朝を迎えたけど

それを遥かに上回る満足感を感じていた。


セリナの安眠を邪魔しないように

ゆっくり体を起こすと、スヤスヤ眠る彼女の髪を

優しく撫でた。

すると違和感を感じた俺は、それを目にした。




なんだこれ?


耳?

尖った長い耳が髪の中に隠れていた。

もしかしなくても

こんな耳を持つ種族は1つしか思い当たらなかった。


…セリナはエルフだったのか。


セリナがエルフだろうが

猫耳だろうが

ウサミミだろうが

なんの問題もないんだけど……


なんで耳を隠してるんだろう?

すっごく気になったので

後で聞いてみることにした俺は

ベットから出て着替えを済ますと

朝食をどうするか考えた。


そういえば朝は食堂で準備してくれるって

係りの人が言ってたな…

セリナが起きたら行ってみるか。


そんな事を考えていると

布団がモゾモゾ動いた。


どうやらセリナも起きたみたいだ。

セリナは目をこすりながら体を起こすと俺に言った。


「おはようございます。もう起きてたのですね?」

そう言って欠伸をするセリナに聞いた。


「おはよ!よく眠れた?」


「はい。快眠でした…って、旦那様?何処かへ行かれるんですか?」

着替えを済ませた俺に気付いたセリナは

慌てた様子で聞いてきたので答える。


「セリナが起きたら下の食堂で朝食に行こうかなって考えてたんだ」

そう答えるとセリナは言った。


「直ぐに準備します!」

俺にそう言うと慌てて準備を始めるセリナに「先に行ってるからゆっくりで良いよ」と言って部屋を出た。

セリナの生着替えを見たいのは山々だったけど……


食堂に着いた俺はウェイターさんに

2人分の朝食を頼むと空いてる席に座った。


そして料理を待っていると、

食堂の入り口にセリナの姿を見つけたので

手を上げて合図した。

俺に気付いて小走りで席に着くセリナに言った。


「早かったね。まだ料理届いてないよ?」

俺の言葉にセリナは安心したように言った。


「良かったです。先に食事を済まされてたらどうしようかと慌てました」

そう言って息を切らすセリナに水を勧めた。

「ありがとうこざいます」と言って水を飲んだセリナはだいぶ落ち着いてきたみたいだ。


そのタイミングで朝食がテーブルへと運ばれてきた。

サラダとサンドイッチ、スープ…なかなか豪勢な朝食だ。


「食べよっか?」

俺の言葉にセリナは頷くと食事を始めた。


そして一口……美味い。

この世界にはまずいという概念は無いのだろうか?

何を食べても美味しい……まだ2日目だけど。


セリナも美味しそうに食べてるし。

あ、口にソースが付いてる!可愛いなぁ……

俺はセリナの口元を指で拭うと

顔を赤くして目をパチクリさせるセリナの顔が目に入った。


守りたい……この照れ顔!


そんなこんなで朝食を腹に収め切った俺は

気になっていたあの事を切り出した。


「なぁセリナ。耳のことなんだけど…」


「耳ですか?」

そう言ってセリナは普通に耳を出した。


あれ……隠してるんじゃなかったの?

俺はセリナに聞いてみた。


「耳は隠してるんじゃなかったの?」

セリナは俺の疑問に首を傾げた。


あれ……俺は何か変なことでも言ってしまったのか?

呆然とする俺にセリナが笑みを浮かべて言った。


「旦那様?結婚したエルフは耳をしまうのは当然じゃないですか?耳環をつけるまでは。」

そうなんだ。

へぇ……異世界あるあるみたいなもんか。


……なんか恥ずかしい。

ちなみに耳環って何?


いやこれは後でナビに聞こう。

そんな事を考えているとセリナが言葉を続けた。


「旦那様も耳をしまってますのに?」


「え?」


「え?」

お互いに首を傾げた。

俺が耳をしまってる?何を言ってるんだ?


セリナの言葉に違和感を感じた俺は

恐る恐る自身の耳を触ってみた。


!?


確かにそこにはセリナと同じく

尖った耳がしまわれていた。

……俺ってエルフになってたのか?


そういえば転移してきてから今まで

自分の顔を見たことがなかった。


てっきり転移前と同スペックだとばかり思っていた……


鏡!鏡はどこだ!?

俺は自身の耳や顔が確認したくなったので

鏡がある場所を考えていると「ボトッ」という音が聞こえた。

するとテーブルに手鏡があった。


ナビ様……ナイス!


俺は早速鏡を覗くと

そこには見たことないイケメンとなった俺の顔が映っていた。

耳を確認すると、やっぱりエルフ耳。


……俺は間違いなくエルフになっていた。

鏡に映る自身の顔を見て驚く俺にセリナが聞いた。



「旦那様?大丈夫ですか?」

そう言って心配そうな表情を浮かべるセリナに俺は答えた。


「え、あぁ。大丈夫だよ」

まだ動揺していたけど

俺はセリナに聞きたいことが……

いや確認したいことがあった。


「なぁ……俺ってカッコいい?」


「はい!旦那様は素敵です」

そう言ってセリナは俺に笑顔を見せた。


ありがとう!

セリナもとっても綺麗だよ!

そう頭の中で呟くと、上機嫌の俺はこの後の予定を提案した。


「セリナ!この後なんだけど町を散策しながらショッピングなんてどうかな?」

俺の提案にセリナは笑顔を浮かべると答えた。


「良いですね。行きましょう♪」



さっそく俺たちは宿を出ると

のんびりと町の散策を始めた。



ブクマ1件、評価1件くれたあなた!!

ありがとうこざいます(^^)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ