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ジークとシア 2人の選んだ道 後編

陽も傾き町に街灯が淡い光を放ち始める頃、ジークはシアと目からウロコ亭に到着した。


すると来店に気付いたエルダは笑顔で2人に声を掛けた。


「いらっしゃいませ!こちらの席にどうぞ」

2人を席に案内すると料理を並べカウンターの奥から様子を伺った。

するとジークとシアははさっそく料理にてをつけると会話を楽しみ始めた。


「おいしい!おいしいのじゃ!」

そう言いながら食べるシアにジークは話し始めた。


「本当にうまいな。あの頃の俺達に食べさせてやりたいな?」

そう言って笑うジークにシア「そうじゃな!」と同意するとリラックスしたシアとの会話を楽しんだ。


食事を終えると2人は店を後にした。

帰り際にエルダは頑張れ!とジークに視線を向けると力強く頷く様子に安心した。

そんなエルダがテーブルに置かれた大金貨を見つけて悲鳴をあげた時には、2人は最後の目的地に転移を済ませていた。


その場所は……かつてシアの怒りで消えた都市。何もない荒地が広がる場所だったが……。


月に照らされたその場所は草花が生い茂る緑地に姿を変えていた。

あまりの変貌に驚くシアにジークは話し始めた。


「もうこの場所には何もない。俺達が暮らした路地裏も……俺達を差別した魔族も。だからシア、俺達もそろそろ前に進もう」

その言葉に一筋の涙を流したシアが言った。


「ダメなのじゃ……あたしはまだ許せないのじゃ。あたしが殺した仲間達の為に生きて償い続けないと……あたしの生きる意味は無くなってしまうのじゃ……」

シアの言葉を受けとめるとジークは話を続けた。


「シアの罪はすでに贖われた。それでもまだ背負ってるものがあるなら俺も一緒に背負う。どんな時も傍でシアを守ってやる!」

そう言ってジークはシアの涙を拭うと片膝をつく。

そしてあの時と同じくシアの手を握ると言った。


「俺はシアを愛している。今までも……そしてこれからもそれは変わらない」

その言葉にシアが言った。


「あたしは威張りんぼじゃぞ?」

「構わない。シアが笑ってくれるなら」


「話が長くてつまらないのじゃぞ?」

「時間はたくさんある。聞かせてくれ」


「あたしはわがままじゃぞ?」

「なんでも言ってくれ!」


「あたしは……あたしは本当にめんどくさい女なのじゃ!どうせ今はあたしを好きじゃと言っても……愛想を尽かして離れていくのじゃ!」

そう言って目をそらすシアにジークは愛おしさを感じていた。


「シア。あれからどれだけ時が経ったと思う?俺がどれだけシアへの気持ちを押し殺していたと思う?」


「シア……俺を信じろ!これからは俺がずっと傍にいるから」

そう言うとシアの手を離したジークは指輪を取り出してシアに見せると言った。


「シア……俺の全てを賭けてお前を生涯愛し続ける事をこの指輪に誓う。だから俺と結婚してくれ!」

その言葉に涙を流すとシアが答えた。


「本当にあたしで良いのじゃな?」


「シア以外考えられない」

ジークの言葉にシアは涙を拭うと、笑顔を浮かべて答えた。


「分かったのじゃ。ジーク……お前と結婚するのじゃ」


その言葉にジークは笑顔を浮かべると、シアの左手の薬指にゆっくりと指輪を差し込んだ。


そしてシアにもうひとつの指輪を渡すと左手を差し出した。シアはそれを手に取るとジークの薬指に指輪を差し込んだ。


そして指輪を互いに見せ合うとシアはジークに言った。


「ずっとあたしの傍にいるのじゃ!約束じゃぞ?」


「あぁ。約束だ!」


そう約束した2人は手を繋ぐと……



月が照らす静かな草原をゆっくり歩き始めた。


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