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NEET 2人目の花嫁爆誕

「ちょっと待ってください。心の準備がまだ……」


俺はそう言ったけど、ノワールさんは気にも留めず俺の手を掴むと2人を転移の光が包んだ。


……


旦那様はまだ帰らないのかなぁ……

私は椅子に腰掛けて、編み物に勤しむ手を止めると小さく呟いた。


すると部屋の隅に突然見覚えがある光が!

帰ってきたのかな?私は立ち上がると、そこには旦那様の姿が!!


「お帰りなさい!」

私はそういうと旦那様は小さく「あぁ……ただいま」と小さく呟いた。


あれ?

旦那様……元気がない。

どうしたのでしょう?

私は声を掛けようとするとそこにはもう1人……とっても綺麗な人が立っていた。

その人は私に気付くと視線を合わせずに言った。


……


「あなたがトーヤの妻?私はノワール。トーヤの妻になりたくてあなたと話に来たの」

……言っちゃった。

俺はノワールの言葉に頭を抱えながらセリナを見ると……セリナは……あれ?すっごい笑顔!?喜んでるの?それとも激怒してるの?


混乱する俺をよそに2人の会話がスタートした。


「えっと……ノワールさん。わざわざ来て頂いてありがとうございます。私はセリナです!ノワールさんは旦那様のどこを好きになったのですか?」

セリナの問いにノワールさんは即答した。


「トーヤは私をまっすぐ見てくれた……。目が合った時に私は初めて鼓動の高鳴りを感じたの。そう……一言で表現するなら「一目惚れ」ね……」


「そうなの!?」とびっくり仰天の俺。

「やっぱり!!」と嬉しそうに同意するセリナ。


その様子を気にも留めずにノワールは話を続けた。


「無理にとは言わないけど……少しで構わないから考慮して貰えると嬉しいわ」

そう言って頭を下げるノワールにセリナはノータイムで返事をした。


「ノワールさん。よろしくお願いします!一緒に旦那様を支えましょう!」

その答えにノワールは笑顔を浮かべると俺を見て言った。


「トーヤ。セリナは認めてくれたわ?」

そう言ってまっすぐ俺を見据えた。セリナが良いなら良いのかな?

……そう考えた俺はノワールに返事をした。


「分かりました。至らない男ですが俺で良ければ」

そう伝えるとノワールは俺とセリナに飛びついた。するとセリナが思い出したように言った。


「あ!そういえばノワールさんは何で私と目を合わせてくれないんですか?」

……そういえばまだノワールの瞳の事をを説明してなかった。俺はセリナに事情を話すと、聞き終えたセリナが笑顔で言った。


「でも旦那様の力で治ってるかもしれないんですよね?試しに、私と目を合わせてみましょう!」

そう提案するセリナを俺とノワールさんは必死に止めるが……セリナは笑顔で「ダメです!」と言った。


結局ノワールは「本当にいいの?」と最終確認すると、セリナは大きく頷いたのでノワールは目を合わせた……。



結果から言うとセリナの肩こりが治った。


2人は暫く目を合わせたが特に何も起こらなかった。

その様子に安心していたら、セリナが急に「あ!」と声をあげて驚いた。


話を聞くと、少し前から肩こりに悩んでいたらしい……それがこの数秒で次第に改善してビックリしたと言った。

俺はその話を聞いて思った事を口に出した。


「それってつまりノワールさんと目が合うと治癒効果が発動するって事かな?」

俺がそう言うと、セリナは笑顔を浮かべてノワールに言った。


「きっとそうですよ!良かったですね?」

そう言って俺とセリナは喜んでいたけど、ノワールさんは小刻みに震えながら……泣いていた。


ノワールは孤独だった。

誰とも目を合わすことが出来ず周りからは目を背けられてきた。それは仕方のない事と分かっていたけどやはり寂しかった。


長い年月を生きて、次第にその感情は無くなっていたのだけど今日……目を合わせて話せる存在が2人できた。


それだけじゃない。

これからは誰とでも目を合わすことが出来るし、誰からも顔を背けられる事がなくなる。


ノワールはそう考えると自然と涙が溢れた。そして改めて俺達に視線を向けると言った。


「ありがとう。2人と出会えて良かった」

その言葉に俺とセリナは笑顔で返した。


その後、ノワールさんが準備してくれた紅茶を飲みながら雑談していると部屋に突然の来客があった。


「ヴァレンタイン!!来たのじゃ!!」

……シアだった。

「こんにちは」とセリナが言うと元気いっぱいに挨拶を返した。


「セリナ!!朝以来じゃな。元気にしてたか?あたしは元気じゃ!!あ、そうじゃった。セリナ……実はヴァレンタインはノワール姉様と結婚するのじゃ!」

シアの言葉に……もう知ってますよ?と言わないのはセリナの優しさだろうか。

機嫌の良いシアは話を続けた。


「ほんとなんじゃ!なのにあいつらは誰も信じてくれぬのじゃ……ほんとなのに……」

シアはそう言って肩を落とす……が、すぐにマシンガントークが始まった。


「それでな……あたしは思いついたのじゃ!そうじゃ!あたしの城で結婚式をしようとな!準備はあたしに任せるのじゃ!しかし、あいつらは呼んでやらぬっ!仲間はずれにしてやるのじゃ!!」

……そろそろ誰かシアを止めないかな?そう思っていたらノワールが口を開いた。


「シア。帰りなさい」

その言葉に、シアは……


「でもな?ノワール姉様の……」


「シア。帰りなさい」


「じゃがな?」


「シア。帰りなさい」


「分かったのじゃ……」

そう言い残すとシアは転移した。

ノワール……強い!


シアが帰るとセリナの提案で俺達は町へ出かける事になった。


いつも読んでくださり

…ありがとうございます!


暇つぶしにでもなっていたら幸いです。


へっぽこ作者。

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