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NEET 不名誉な称号を獲得する

目を覚ました俺は

薄暗い洞窟?で目を覚ました。


そもそも洞窟かどうかも分からなかったけど

無事に転移できたのだろうか。



俺はどうしたものかと考え始めたその時



「真っ直ぐ進んで下さい」

声が聞こえた……厳密には頭に直接響いてきた。


なんだ今の声?

俺が疑問に思っていると、また声が聞こえてきた。


「私はナビゲーターです。マスターの洞窟から出たいという要望に対して案内を開始しました」



マジか!


あまり期待していなかったのに早速使える商品じゃないか!

俺はナビゲーター…ナビに従い移動を開始すると

周りが次第に明るくなってきた。


周囲の様子を見ながら歩く俺は

「やっぱり洞窟だったんだなぁ……」

と考えながら呑気に歩いていると、ナビが聞いてきた。


「マスターは開放的な方なのですか?」


質問の意味が分からなかった俺は

性格のことだろうと判断すると答えた。


「開放的というよりは外向的かなぁ。NEETになるまでは人並みに友達も彼女もいたし」


俺の答えに「分かりました」と答えると

ナビはまた出口への案内を開始し始める。


……なんだったんだろ?

その意味は出口に着いた時に理解した。



……俺、全裸だったのね。

てっきり服は着てるものとばかり思っていた。


確かに思い込みは良くないけど

幸いな事にまだ人とは遭遇していなかった。


とりあえず着るものを探そう。

無ければ作ればいい。


って素材も技術もないじゃないか。。。

そう悩む俺にナビは冷静に言った。


「マスター。アイテムボックスに衣類が収納されていますが出しますか?」


「お願いします!」

俺がそう頼むと、何もない空間に突如服が現れた。

アイテムボックス…買ってて良かった!


俺は出てきた服を早速着てみた。

真っ黒なシャツとズボン、コートに靴。


どうでもいいけど俺……靴も履いてなかったのか。

幸いにもサイズはぴったりだったので助かったけど。


とにかく服を着て安心している俺に

ナビが話しかけてきた。


「マスター。新しく称号を獲得しました。変更しますか?」


ほう…称号とな。


よく分からないけど

今の称号と手に入れた称号を聞いてみた。


NOW→NEET

NEW→ストレンジャー



「今のままで…」


変質者とニートなら迷わずニートを選択した俺に

ナビは「分かりました」と答えると静かになった。




さて、これからどうしよう?


洞窟を出た俺は、道なりに森を歩いている。


道があるという事は誰か通っているという事だ!

と安易に考えた俺は、ひたすらテクテク歩き続けた。


しばらく歩くと森を抜けて整備された道に出たが

二手に分かれていた。


右に行くか、左に行くか。


まぁ…どっちに行っても

あんま変わらないだろうと考えた俺は

「左」に行くことにした。


その後、小一時間ほど歩くと

視線の先に煉瓦造りの壁が見えてきた。


……どうやら無事に町へと着いたみたいだ。


さらに近づくと守衛らしき人が立っているのが分かった。


転移してきて初めての会話……うまく話せるだろうか。

と考えている間に入り口に着いてしまった。

すると俺に気付いた守衛が話しかけてきた。


「おいあんた。町に入りたいのか?」

そう問いかける守衛に俺は返事を返した。


「あ…あぁ。そうなんです!いいですか?」


「町に入りたいなら入町税200Gだ。」


良かった!

言葉は通じているようだ……。


けど入町税200Gって……おれはまだお金を持ってない!


どうしよう?

動揺する俺にナビが言った。


「マスター。アイテムボックスに入っていますが出しますか?」


マジか!

俺はすぐにお願いすると、

何もない空間から200Gが出てきた。


アイテムボックス…神!!


そんな事を考えていると守衛が驚きながら言った。


「あんたアイテムボックス持ちか!珍しいもん持ってるんだな!」

そう言って感心する守衛に聞いた。


「珍しいんですか?」


「あんまり見る事はないな…冒険者や行商人なんかは持ってるがこの町にはほとんど来ない。だから見る機会が少ないんだよ」

守衛が言った「冒険者」や「行商人」という

ファンタジーチックな単語に胸をときめかせながら

俺は入町税を手渡す。


「そうなんですね…あ!すみません200Gです」

俺が手渡した硬貨を確認すると守衛が笑顔で言った。


「200G確かに受け取った!何もない町だがゆっくりしてってくれ」



そう言って門を開けてくれたので

軽く頭を下げるとさっそく町へと入った。


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