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NEET ステータスを確認する

その日は大変珍しい事が起きた。


目を覚ました俺はセリナと朝食を食べたると、なんの予定もなかったのでセリナとお出かけするつもりだった……のだけど。



セリナの予定は既に埋まっていた。


「ごめんなさい……今日はエルダさんと遊びに行く約束をしてしまいました……」

そう言って謝るセリナに俺は言った。


「そうなんだ?気をつけてね」

そう答えるとセリナは笑顔で出かけていった……

その結果、俺は暇になってしまった上に何もする事がない。


1人でブラブラするのも少し飽きていたので、仕方なく部屋でゴロゴロしているとナビが話しかけてきた。


「マスター。よろしいでしょうか?」

ナビから話しかけてくるなんて珍しいと思ったけど、暇を持て余していた俺には大変有り難い事だったのですぐに返事をした。


「ん、どうした?」

俺がそう返事をするとナビから提案があった。


「お時間を持て余しているならステータスボードをご確認すると良いかと思います。長らく確認されていないので。」

そういえばそんなのあったな。名前を考えた時以来、全然見てなかった……。

幸いな事に時間はたっぷりあったので、さっそく見てみる事にした俺はステータスボードを表示させた。

すると、以前は無かったマークに気がついた。


「え、なんだこのマーク?」

いくつかの項目に赤い丸みたいなマークが表示されていたので、該当箇所を1つずつ確認してみた。


まずはレベルだ。

前回見た時は1だったのに今は318と表示されていた。

理由は間違いなく先日の件だろうけど……上がりすぎじゃないか?

まぁレベルは高くて困る事はないだろうと判断した俺は次の項目に目を向けた。


次は称号か。確認すると……2つ増えていた。

・NEET

・ストレンジャー

・大義賊 new

・拳王 new


大義賊……どこぞの国の宝物庫から奪った財宝をを良いことに使ったからかな?

もし奪っただけなら「盗賊」とかになってたかもしれないと考えると少し怖くなった。


拳王…普通にカッコいいな!

でも豚やらを殴って得た称号だと考えると……もったいないけど使いたくなかった。


称号今回もNEETのままノーチェンジだな。


最後にスキルの欄を確認した。

・アイテムボックス∞

・ナビゲーター

・異世界言語理解

・経験値99倍

・魔威 new

・断界 new

・焔雷 new


…なんて読むんだ?読み方も含めて1つずつ確認してみた。


魔威(まのい)

最高位の威圧。自身より能力値が低い者の行動を停止させる。

威力の加減は調整可能


なかなか凄そうだな……俺のステータスが高いのかは分からないけど、かなり使えそうなスキルだ!


断界(だんかい)

特殊転移。自身と指定する対象を強制的に転移する。転移先は亜空間に作成される。

自身で解くか、死亡すると解除される


名前から大体想像してたけど、予想の斜め上をいく凄まじいスキルだな。

ただ……使い道が分からないけど。


焔雷(ふるごら)

殲滅の雷。自身のステータスに応じて威力が変化する。最高位では爆裂する雷が数多の対象を殲滅する。


ふるごら……これは流石に読めなかった。

スキル自体は凄そうだけど、威力が俺のステータスに依存してる点が気になった。

……俺のステータス次第だろうけど、案外しょぼいかもしれない。


一通りの確認が終わったので、ステータスボードを閉じようと思ったらまだ赤丸が1つ残っていた。


これは……何も表記がない空欄部分だ。

とりあえず押してみると空白部分に新たな表示が確認できた。


・魔王の因子 new


!?


俺は慌ててクリックするが何も表示されなかった。

いや……落ち着け!

あくまで「因子」だ。

まだ魔王になった訳じゃない……。


しかし魔王の因子ってなんだ?あ!ナビなら何か分かるかも知れない。

そう考えた俺はさっそくナビに尋ねてみた。


「ナビ、魔王の因子って分かるか?」

そう尋ねると、少し経ってナビから返事が返ってきた。


「マスター。情報不足の為に断定はできませんが類似した情報ならあります」

ナビの返事を聞いた俺は、藁にもすがる思いで言った。


「それでもいいから教えてくれ!」

俺はそう頼むとナビは説明を始めてくれた。


「因子とは遺伝子に刻まれた運命です。魔王の因子という事なのでいずれマスターは魔王になるという事だと考えます」


「しかし魔王とは何かについては情報不足のため回答できませんが…多くの場合において魔王とは既存の世界を破壊する存在と認知されています」

そう言って話を終えたナビに聞いてみた。


「既存の世界を破壊…か。セリナを助けに向かった国で俺が暴れた結果、革命が起きて国が変革…も含まれるか?」

俺はそう聞くと、ナビは答えた。


「含まれると考えます。既存の体制崩壊の原因がマスターだからです」


「……そうだよな。ありがとう。スッキリしたよ」

俺が礼を言うとナビは何も言わなくなった。


それにしても魔王とは……いったい何なんだろう?

魔王が近くに居たら話を聞きに向かうんだけど……居ないよな。


俺はモヤモヤしてるとドアを叩く音が聞こえた。

誰か来たようだ……もしかして領主か?まだセリナが帰るまで時間はあるだろうし、愚痴でも聞いてやるか。


そう思ってドアを開けると……そこには黒のタキシードを着た男が立っていた。

……誰?

ポカンとしている俺に黒タキシードが用件を言った。


「お初にお目にかかります。主命により貴殿をお迎えに参りました。ご足労願えますか?」

そう言って頭を下げる黒タキシードに俺は言った。


「お断りいたします」

そう言って俺はドアを閉めた。

何だあいつ?

俺が何処の誰かも知らない奴の言う事を聞くとでも思ってるのか?


ドアを閉めた俺はその後、だらだらゴロゴロしてるとセリナが帰ってきた!

俺は「お帰り」と声を掛けたけど、セリナは無言で近寄ってきた。

そして俺に困ったような視線を向けると耳元で囁いた。


「旦那様…部屋の外に出ましたよ!」

俺にそう言ってドアの方を警戒するセリナに聞いた。


「え、何が?」


「変質者です!タキシードを着た変質者!」

セリナの言葉に俺は頭を抱えた。

……あいつまだ居たのか!?仕方ない、しっかり追い返そう。そう決めた俺がドアを開けると黒タキシードはまだ立っていた。


「断ったはずだけど?」

俺はそういって睨みつけると、黒タキシードは再度頭を下げて言った。


「主命は絶対でございます。貴殿に応じて頂くまでお待ち申し上げます」

そう言って頭をあげるとひたすらに待つ姿勢を見せた。

なかなか根性のある人だな……どうしたものか。

俺は少し考えると、良いアイデアを思いついたのでさっそく黒タキシードに提案した。


「それなら、主とやらに伝言を頼めますか?俺に用事があるなら貴方がこちらに来て下さい……って」

俺の提案に黒タキシードは少し考えると「確かに承りました」と言ってその場から一瞬で消えた。


……まさか転移したのか?

何者かは分からないけど、あの様子だと多分また来るという確信があった。



それから数時間後、俺の予感は早くも的中する事になった。


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