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NEET 打ち合わせに参加する

翌朝


目を覚ました俺とセリナは

手早く食事を終えると、目からウロコ亭へと向かった。


すると店の前には店長さんとエルダさん

それにゼーレンさん…と見知らぬ小人さんが数人いた。


「おはようございます」と挨拶すると

各々が返事を返してくれる。

そんな中で、まず最初に話をしたのはゼーレンさんだ。


「お待ちしていました。土地の所有権は本日中に店長様の名義へと変更致します。それで建物の件ですが……ご紹介致します。こちらが昨日お話しした「きこりのこりき工務店」の皆様です」

ゼーレンはそう言って工務店から来ていたきこりさん達を

俺に紹介すると、一人一人丁寧に挨拶を交わした。


すると、挨拶を終えた俺に

きこりさんからはただ一言。


「内見はもう済んだ…後は金額の話だけだがまどろっこしい話は苦手でな!いくら出す!?」

まさかのどんぶり勘定だった……

それくらいの方が信用できるか。


俺は膝をつくと

きこりさんに小さな声で金額を提示した。


きこりさんは提示した金額に顔をしかめていた。

少なかったか?と考えてると、きこりさんが聞いてきた。


「お、おう……金額はそれでいい。最高の物件を建ててやろうじゃないか。しかしあんたにその金額は準備出来るのか?」

そう聞くきこりさんに俺は笑顔で答えた。


「大丈夫ですよ。早速支払いますか?」

そう聞くと支払いは工務店で、と頼まれたので

後で伺う事を約束して話を終えた。


金額の話も済んだきこりさん達は

店長、エルダと細かい打ち合わせに入った。


ゼーレンも手続きのため場を後にすると

久々にセリナと2人きりになった。


散歩がてらお出かけでもしないかと誘う前に

セリナにお呼びがかかった。


「ねぇセリナ!!ちょっと意見が聞きたいんだけど!!てかアイデア出して〜!!」

その呼びかけにセリナは笑顔を浮かべると

エルダの元へと駆け寄っていった。


……あれ、ぼっちなの俺だけ?


ズタボロのメンタルだったけど

工務店に行って支払いを済まさなきゃいけない。


俺はみんなに声を掛けると工務店へと向かった。


ナビのおかげで迷わず到着した俺は

中へ入ると近くにいた

きこりさんに代金を支払いに来たと伝える。


するとさっそく奥の部屋へと通された。


中には馬鹿でかい木箱が鎮座していて

きこりさん曰く「代金はそこに入れてくれ!」との事だった。


俺は木箱に近づくとアイテムボックスから

一袋、また一袋と木箱に投入した。


最初は暇そうに見ていたきこりさんも

150袋を超えたあたりからガン見していた。


それからしばらくして投入作業が終了すると

重くなった木箱をたくさんのきこりさん達が

更に奥のスペースまで押し込んだ。


代金確認作業は2時間近くかかり

確認が終わると支払い証明書が発行された。


受け取った証明書を持って

目からウロコ亭に戻った俺は

さっそくきこりさんに証明書を見せる。


するときこりさんは手袋を外すと

握手を求めてきたので、俺も手を出して握手した。


きこりさんの手を握ると、硬くゴツゴツしている。

働き者の手だと感じた。


そしてきこりさんが打ち合わせに戻ると

俺は証明書をアイテムボックスにしまって

セリナのそばに移動した。


……夫として

妻がどんなアイデアを出しているか確認してるだけだ!


……断じてボッチとかは気にしてない!


耳を傾けていると、セリナとエルダは

どうやらキッチンの間取りについて話してるみたいだ。


あーでもない、こうでもない…と熱い議論が続いている。



そんな様子を眺めていると店長さんが声を掛けてきた。

今後の段取りや流れの確認だったけど

これからはゼーレンさんやきこりさん達と

進めていくようお願いした。


だって、もはや俺とは全く関係ない話になるし……

口を挟むつもりもないし。


各々が話を終えると

今度は改築までの転居先への引っ越し作業が待っていた。


これは簡単だった。


俺のアイテムボックスに荷物を突っ込んで終了。

店長とエルダは唖然としていた。


そのまま転居先へ行くと

エルダの指示のもとアイテムボックスから

順番に家具を出していく。


これもあっという間に終わったので

俺とセリナは帰路に着いた。


帰り道でセリナはエルダと話した内容を

楽しそうに教えてくれた。


こんなに饒舌なセリナ……悪くない!

いや可愛いじゃないか。


すると話が止まらないセリナがふと話題を変える。


「そう言えば……かっこいい馬車を見たんです!!」

そう言って目を輝かせるセリナは話を続ける。


「黒くて大きな馬車でした!エルダさんと2人でどんな人が乗ってるのか見てみたいですねって!きっとどこかの貴族様が乗ってるんじゃないかって!」

……その話を聞いて、昼過ぎに乗った馬車に思い出した。


「へ、へぇ?そうなんだ?」

変な相槌を返す俺にセリナは話を続けた。


「それで、エルダさんは、あんな馬車に乗ってる王子様みたいな人が迎えに来てくれたらry」


……お願いだ。

その話題だけはやめてくれ。。。


俺の思いとは裏腹に

宿に着くまでその話題は途切れる事なく続いた。


ブクマ7件目!

ありがとうございます(^^)

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