国王陛下と王妃陛下に挨拶
お義父様とお義母様
リュカ様の花嫁として嫁いできて早くも三日目。なんとかここでの生活にも慣れてきた頃、リュカ様に声をかけられた。
「サラ、父上と母上に時間をいただけたよ。挨拶をしに行こう」
「は、はい!」
いよいよお義父様とお義母様にご挨拶出来るんだ!…緊張するなぁ。でもよかった!
リュカ様にエスコートされ、謁見の間に移動する。ドキドキするけど、まあそりゃあそうだよね。国王陛下と王妃陛下にご挨拶をするんだもの。頑張れ!私!
「失礼致します」
「し、失礼致します!」
謁見の間に入る。奥にどこかリュカ様に似た美しいお二人の姿が見える。この方々が国王陛下と王妃陛下かぁ!美人!気品溢れる!すごい!
「おもてを上げよ」
「は、はい!」
うーん?緊張し過ぎて何が何だか分からなくなってきた!私、大丈夫かな?これ。
「ふっ。そう緊張するな、人の子よ。何もとって食いやしない」
「そうよ、サラさん。私達はもう親子なのだもの。緊張することはないのよ」
「は、はい!」
そうは言われても緊張しますー!
「ここでの生活にはもう慣れたか?」
「はい、なんとか」
「大丈夫よ。今は慣れなくてもそのうち慣れるわ。私達には永い時間が与えられたのだもの。ゆっくりゆっくり、ね?」
国王陛下も王妃陛下もなんてお優しいの!さすがリュカ様のご両親!
「なに、王太子妃と言ってもそこまで難しいことを要求する気も、させる気もない。気楽にやれ」
「そ、そうなのですか?」
「ええ。ここは下界と違って絶対永久楽園だから、下界と比べると王妃や王太子妃の仕事は少ないのよ。」
「絶対永久楽園?」
どういう意味だろう?
「言葉通りの意味だ。この国は下界と違いずっとずーっと平和であったし、経済的にも恵まれている。」
「この国にいればずっといい暮らしが出来るのよ」
へー。知らなかった。さすがドラゴンの国、すごいなぁ。
「ま、気負わず健やかに過ごせ。これからよろしく頼む」
「よろしくお願いね」
「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
「リュカ」
「はい」
「いい嫁に恵まれたな」
「…!」
褒められた!嬉しい!
「ええ、とても。ありがとうございます、父上、母上。これからどうぞ僕のサラと仲良くしてやってください」
「なにを当たり前のことを言っているんだ、お前は」
「もちろんよ、任せてちょうだい」
「では、これで失礼致します。サラ、行くよ」
「はい!」
リュカ様と謁見の間を出る。…はぁー、緊張したー!
「ふふ。緊張した?」
「はい、とっても!」
私がそういうと頭を撫でてくれるリュカ様。
「よく頑張ったね、サラ」
「はい!」
「これからもこういう緊張する場面は色々あると思うけど、よろしくね」
「頑張ります!」
こうして私のお義父様とお義母様の初対面は終わった。
多分そのうち義弟達とも会うはず