ガヴァネスさんは優しいけど厳しいです
ガヴァネスがつきます。
コンコン、とドアが叩かれる。
「…サラ、ちょっといいかい?」
リュカ様だ!どうなさったんだろう?こんなに早くお仕事終わったのかな?でも、リュカ様が来てくれて嬉しい!
「はい、リュカ様!」
がちゃりとドアが開いてリュカ様が入ってくる。横には妙齢の女の人がいる。誰だろう?
「…!僕が贈ったドレスを着てくれたんだね。とても似合うよ」
ちゅっ、と頬にキスをされる。リュカ様に褒められた!嬉しいなぁ。
「サラにガヴァネスを紹介しようと思ってね。アデール・ルーホンだ。君のガヴァネスになるから仲良くね」
「アデール・ルーホンです。よろしくお願い致します」
「はい。サラ・ルナールです。よろしくお願いします!」
「ごめんね、また仕事に戻るけど、待っていて?」
「はい、もちろんです!」
リュカ様は私をぎゅー、と私を抱きしめて部屋を後にした。…侍女さん達とは仲良くなれたけど、ガヴァネスさんはどうかなぁ?
「王太子妃殿下、今日から一緒に王太子妃教育頑張っていきましょう」
「はい、よろしくお願いします!…え?王太子妃?」
「はい。リュカ様は立太子されていらっしゃいますから。…聞いていませんでしたか?」
王子様なのは聞いてるけど立太子されているなんて聞いてないよ!
「初耳です!」
「…あとで王太子殿下によく言っておきましょう」
「ぜひお願いします…」
「では、早速ですが王太子妃教育を始めます」
「は、はい!よろしくお願いします!」
そして私の王太子妃教育は始まりました。
―…
「はい、今日はここまでに致しましょう」
「…あー、疲れたー!先生、厳しいです!」
「ふふ、お疲れ様です、王太子妃殿下。ですが、さすが王太子妃殿下です。筋がいいですし、これならすぐに私が教えることもなくなってしまうでしょう」
「もう、そんなことないですよ!でも褒めてくださってありがとうございます!」
「では、そろそろ王太子殿下がいらっしゃる頃でしょうから、私はこれで失礼致します」
「ありがとうございました!」
「ではまた明日よろしくお願い致します」
「よろしくお願いします!」
…王太子妃教育ってこんなに大変なんだね。初めて知りました。後でリュカ様に褒めて癒して貰おう。
実は立太子してた