ドラゴン様の宮殿に着く
リュカのお母様はドラゴンの姿が苦手というか怖いらしい
しばらく空を飛んでいるとお山が見えた。あの山がドラゴンが住むとされる山なので、多分あの山の頂上にある大きな宮殿がリュカ様のお家なのだろう。
「見えるかな?あそこが僕達の宮殿だよ」
「大きな宮殿ですねー」
「もうサラの部屋は用意させてあるけど、もし気に入らないようならすぐ言ってね?模様替えさせるから」
「ありがとうございます、リュカ様」
「さ、そろそろ着くよ。降りる時には気をつけてね」
「はい」
しばらくすると宮殿に着いた。リュカ様の背から降りる。するとリュカ様は人間の姿に変化してしまった。
「あれ?人間の姿になってしまわれるのですか?」
「うん。サラのようにドラゴンの姿を受け入れてくれる人間は稀だからね。みんなのお嫁さんに気を遣って、みんな普段から人間の姿になっているんだよ。僕の母上も僕の本来の姿はあまり好きじゃないみたいだしね」
…何それ?リュカ様のドラゴンのお姿はこんなに美しいのに、なんで実の母であるお義母様が嫌がるの?
「…ああ、サラは優しい子だね。そんな顔をしなくても、僕は気にしていないから大丈夫だよ。それに僕の花嫁は僕の本来の姿を受け入れてくれたようだしね。それだけで十分さ」
そう言ってリュカ様は私の頭を撫でてくださる。でも正直、リュカ様が納得していても私は納得いかない。でもだからといってお義母様とことを構えたくはないしなぁ…難しいなぁ。
「さあ、そんなことより宮殿に戻ろう。サラの部屋まで案内してあげる」
そうしてリュカ様は私をエスコートしてくださる。宮殿は外から見ても煌びやかだったし、お庭もすごく綺麗。でも中はもっとキラキラしていた。貧乏男爵家出身の私にとっては内心ドッキドキだった。使用人さん達はみんな私達に頭を下げてお帰りなさいませ、と声をかけてくれる。わー、これが王子妃かぁ。なんだかむず痒い。
「さあ、ここがサラの部屋だよ」
案内された部屋は物凄く広く、そして、煌びやかだった。ベッド広い!ベッドとソファーとクッションふかふか!何これ、お姫様の部屋みたい!
「そりゃあ王子妃の部屋だからね」
「え?」
「口に出ていたよ?」
私の顔がボッと赤くなる。恥ずかしい…。
「そうだ、君の侍女を紹介しないとね」
「え?」
「君は王子妃なんだから、侍女がつくのは当然だろう?五人くらいつけるからね」
「そ、そんなにですか!?」
「まあ、そういうものだと諦めて。あとドラゴンは男しか生まれないから、君につく侍女は全員他のドラゴンと婚姻した人間だよ。下界の話で盛り上がれるかも知れないね」
そうなんだ。それなら色々安心かもしれない。ドラゴン様にお世話してもらうのは気が引けるもの。
「さあ、入ってきて」
リュカ様がりんりん、とテーブルの上にあった鈴を鳴らして侍女を呼ぶ。
「失礼致します」
侍女さん五人が入ってくる。
「僕の花嫁に自己紹介してくれるかい?」
「アリス・ウゥと申します、よろしくお願い致します」
「クロエ・ヴンサンと申します。よろしくお願い致します」
「イネス・ジュブワと申します、よろしくお願い致します」
「アンナ・ジハァーゥと申します、よろしくお願い致します」
「リナ・ミィシェーレと申します、よろしくお願い致します」
「はい、サラ・ルナールと言います。よろしくお願いしますね」
「僕の花嫁をよろしくね」
「お任せくださいませ」
…みんなと仲良くできるといいなぁ。
侍女多過ぎ問題