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リュカ様と弟妹たち

年の離れた弟妹は可愛い

「クララ、君は一番サラに似ているね」


「あーうー」


昨日はローズマリーが色々と引っ掻き回していきましたが、その後は何もなく楽しい一日を過ごせました。今日は里帰り最後の日。たっぷり弟妹たちと遊んでいきます!リュカ様はクララが一番可愛いみたいで、今もクララを抱っこしています。


「王子様ー、今日は一緒にかくれんぼしようよー」


「えー、私お人形遊びがいいー」


「王子様ー、絵本読んでー」


「どうせなら紙芝居にしようよー」


「私、お姫様ごっこがいいー」


「あたち、ヒーローごっこがいいー」


「こら、エヴァは女の子なんだからお姫様ごっこにしなさい」


「うわぁーん!ラファエル兄の意地悪ー!」


可愛い弟妹達はドラゴンの王子様が物珍しいらしく、かなりリュカ様に懐いている。お姉ちゃんにも構ってー!


「サミュエル、サミュエル」


「え?なに?」


「だーれだ!」


私はサミュエルに目隠しをして「だーれだ」をします。お姉ちゃんも構って欲しいのです。


「姉ちゃん!」


「正解!」


「え…サラ、なんでそんなに可愛いの…?」


「え?…」


リュカ様が何か尊いものをみるような目で見てきます。なんで?


「わー、王子様姉ちゃんにべた惚れだー!」


「ひゅーひゅー!」


「ラブラブー!」


「ちょっとちょっと!お姉ちゃんと旦那様をからかうんじゃありません!」


「旦那様…いい響きだね」


すごく感激したような様子のリュカ様。本当に今日はどうなさったの…。いつもは冷静で紳士で優しくてかっこいいリュカ様が何かおかしい。もしかしてこれが素?それとも素直な弟妹達になにか感化されたの?


「リュカ様?」


「うん?」


「その…いえ、なんでもありません」


頭にはてなマークを浮かべるリュカ様。まさか、それが素ですかとも聞けないし…。うん、気にしないことにしよう!


「姉様、紙芝居読んでー」


そういうとイリスが紙芝居を持ってくる。弟妹達はみんな私と年が離れているのですごく可愛い。思わず甘やかしてしまうのです。


「はいはい、じゃあ読むわよ」


「わあい!姉様ありがとー!」


「ほら、クララ。お姉様が紙芝居を読んでくださるよ、僕と一緒に見よう」


リュカ様がクララを連れて一番前の真ん中の席に座る。な、なんか緊張するけど気にしない気にしない。


「ー…めでたしめでたし」


「わー!ハッピーエンドだー!」


「よかったー!」


「お姫様おめでとー!」


弟妹達は嬉しそうに拍手しています。リュカ様はクララを抱っこしているので拍手は出来ませんが、満足そうににこにこと微笑んでいます。よ、よかった。


「サラは朗読が上手だね。今度僕も何か読んでもらおうかな」


「ありがとうございます!でもリュカ様に読み聞かせなんて緊張しちゃいます」


「ふふ、そんな気にすることないのに」


「ねえねえ、姉様は王子様のお嫁さんなんでしょ?そしたらお姫様なの?」


「えっ」


ジャンヌがいきなりそんなことを聞いてきます。お姫様ではないかな。


「ふふ。ジャンヌ、サラはお姫様ではなくお妃様だよ。王太子妃だね」


「…じゃあ、姉様は悪者になっちゃうの?」


「ええ?」


ジャンヌったらさっきの紙芝居の内容を引きずっているのかしら。


「そんなことはないよ。サラはお姫様みたいにきらきらした、優しくて可愛いお妃様になったんだよ」


そういうとリュカ様はクララを一旦ラファエルに預けて、私の前に跪きます。


「リュカ様…?」


「僕の可愛いお妃様。僕は一生貴女を愛すると誓います」


「…私も誓いますわ、王子様」


これはさっきの紙芝居のセリフ。リュカ様はやっぱりかっこいい。


「わー、姉様本当にお姫様みたーい」


「すごーい」


「姉様可愛いー!」


弟妹達の目の色が変わる。姉とはいえ本物の王太子妃を見てきらきらして見えるらしい。


「姉ちゃん、次はかけっこしようよー」


「王子様、次はヒーローごっこしよー」


「エヴァ、お姫様ごっこにしなさい」


「ラファエル兄の石頭ー!」


「ふふ。こういうのも賑やかでいいね」


こうして滞在三日目も穏やかに一日を終えられました。明日には帰らないといけませんが、せっかくの実家なので最後まで楽しんで帰ろうと思います。

でも明日には帰国

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