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リュカ様と私の従姉妹

従姉妹

「じゃあサラ、今日は一日ゆっくり過ごそうか」


「はい、リュカ様」


昨日はライアンとリュカ様とのちょっとした行き違いがありましたが、その後和解しライアンと遊び尽くしました。夜も弟妹たちと遊びまくったので大分疲れました。


「サラー、里帰りして来たんですってー?」


この声はローズマリー!なんてこと!


「リュカ様!隠れて!」


「え?なんで?」


「いいから早く!」


私は急いでリュカ様を隠そうとします。しかし手遅れでした。


「サラー、遊びに来てあげたわよ…え、誰その美男子!」


「はじめまして。僕はリュカ・リュウフワ。ドラゴンの王太子であり、サラの夫だよ」


「え…サラ、こんな美男子と結婚出来たの…?」


「あ、はい…」


「酷い!知ってたら私が立候補したのに!しかも王太子!?サラ、知っていて隠してたわね!」


「ち、違う!美男子なのも王太子なのも結婚する時に知ったのよ!」


「…嘘よ」


「ローズマリー…?」


「酷い!酷いわ!最低!もうサラなんて知らない!…あ、はじめまして。私ローズマリー・ルナールと言いますわ。サラの従姉妹ですの。よろしくお願いしますわ」


あからさまに豊満な肉体を強調し、リュカ様を誘惑しようとするローズマリー。全く、かっこいい男には見境ないんだから!そして困ったように笑うリュカ様。そんなに遠慮せずばしっと断っていいのに。


「リュカ様ー。なんだか私、とても熱いの…介抱してくださらない?」


「それは大変だね。医師を呼ぼう」


「リュカ様に介抱して欲しいんですぅ」


リュカ様に抱きついて離れようとしないローズマリー。さすがにいい加減にして欲しい。思わず嫉妬してしまう。


「失礼します!ローズマリー、具合が悪いなら寝てなさい!」


そういうとローズマリーをリュカ様から無理矢理引き剥がし別の部屋のベッドで寝かせる。


「なにするのよ、サラ!」


「それはこっちのセリフよ!ローズマリー!何人の旦那様に手を出そうとしてるのよ!」


「元はと言えばあんたが悪いんでしょう!」


「だから美男子なのも王太子なのも結婚する時に知ったのよ!」


「嘘よ!」


「嘘じゃないわよ!」


もう!リュカ様の前でこんな怒った姿見せたくないのに。


「いいからリュカ様に会わせなさいよ!私があんたの代わりに王太子妃になってあげるから!」


「そんなのいらないわよ!」


私達二人の間に火花が散っているような気がします。もう全面戦争です。


「…あ、リュカ様ぁ、来てくださったのですねぇ」


何故かお部屋に入ってきたリュカ様。そしてリュカ様にねっとりとした声色で話しかけるローズマリー。やめて。本当にやめて。


「ローズマリー嬢。まずは謝罪を。私はサラ以外の女性に興味はないのです。いくらアピールされてもお気持ちにお答えすることはできません」


「えっ」


そりゃあドラゴンは一途だもの。当たり前でしょうが。


「…そして、我が花嫁サラを侮辱されるのは我慢なりません。どうかサラを悪く言わないでください」


「…ふ、ふん!二人揃って分からず屋なんだから!もう知らない!」


「ええ、すみませんでした」


「ふん!」


そしてローズマリーは帰っていきました。


「ごめんねサラ。せっかくの従姉妹との再会を邪魔しちゃって」


「いえいえ、大丈夫です。ローズマリーならそのうち機嫌も直りますから」


「…本当にごめん。でもその代わり、今日も一日サラと一緒にクララ達の面倒を見るよ」


「ありがとうございます、リュカ様」


リュカ様はとってもお優しい。元はと言えばローズマリーが悪いのに。


「さ、おチビちゃん達のところへ行こう」


「今日は何の遊びをしましょうか」


「昨日は隠れんぼに鬼ごっこにと大忙しだったからね」


「今日は歌やお絵かきにしましょうか」


「それもいいね。ぜひそうしよう」


こうして滞在二日目も穏やかに?一日を終えられました。あと一日しかないですが、せっかくの実家なのでたっぷり楽しんで帰りたいと思います。

こんな二人でも本当は仲良し

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