リュカ様とお茶会
プチお茶会
「里帰り?」
「はい、そうなんです」
「もちろん僕も一緒に行くけどね」
私は今、アラン様とリュカ様と一緒にお茶会をしています。そして明日の午後からリュカ様と一緒に里帰りをすることを話しています。
「えー、俺を置いていくの?」
「すみません。でも3日で帰ってきますから」
「帰ってきたら構ってあげるから、そんなに拗ねないで」
「むー…まあいいけど、早く帰ってきてよね」
拗ねた様子のアラン様。とても微笑ましいです。リュカ様がアラン様を可愛がる理由がよくわかります。
「で、帰ってなにするの?」
「色々したいことはあるけど、まずは家族への謝罪と挨拶かな」
「謝罪?」
「いやー…家族になんの相談もせずにリュカ様と結婚したので」
「え、本当に?君なにやってるの?」
「いやー、反対されるだろうなぁと思って結婚するギリギリのタイミングでカミングアウトしまして」
呆れたような表情を見せてアラン様はため息をつきます。
「君そういうところだと思うよ」
「自分でもそう思います」
「ふふ、僕の花嫁はなにをしても可愛いね」
そう言ってリュカ様は私の手にキスをしてくれます。役得です。
「むー…二人とも所構わずいちゃいちゃするところ、国王陛下と王妃陛下によく似てるよね」
つまらなそうな顔をしつつも邪魔はせずに見守ってくださるアラン様。なんだかすっかりアラン様とも打ち解けられました。よかったです。
「アラン、拗ねないの」
「だってリュカがサラばっかり構うんだもん」
「ごめんごめん、でもアランのことも大切に思っているからね」
そう言ってアラン様の頭を撫でるリュカ様。なんて微笑ましいんでしょう。まるで本当の兄弟のよう。
「で、謝罪と挨拶の次は何するの」
「うーん…とりあえず幼馴染に会いに行こうと思います」
「幼馴染?」
「どんな人なんだい?」
私の幼馴染に興味がある様子のアラン様とリュカ様。
「えーっと…優しくて、ちょっと早合点したりするところもあるけど正義感が強くて、気安い雰囲気で誰とでも仲良くなれるいい子ですよ」
「へー、そうなんだ。結構仲良かったの?」
「はい、とっても!」
「へえ、妬けるなぁ」
リュカ様はそういうと、私の髪を一房手にとってキスを落とします。美形にやられると嬉しい!役得です!
「サラの一番…いや、唯一は僕がいいんだけどな」
「りゅ、リュカ様…照れちゃいます!」
「照れるサラも可愛いね」
「ほらまたそうやって俺を除け者にするー」
拗ねたようにむすっとするアラン様。ごめんなさい、ちょっと可愛いと思ってしまいました。
「ま、女の子同士楽しんでおいでよ」
「…?いえ、彼は男ですよ?」
そういった途端、場の空気が凍った気がした。なんでだろう。
「…マジ?」
「はい!とってもいい子ですよ!」
「…サラ。出来ればなるべくその男に近寄らないで欲しいな。どうしてもというなら僕と一緒に。いいね?」
ここであ、と思い出す。そういえばドラゴンは一途で嫉妬深いのだ。そりゃあいい思いはしないですよね。
「あ、はい、わかりました!リュカ様と一緒にいる時だけにします!」
「そうしてくれると助かるよ」
「まあ一番は会わないで済むことだけど、幼馴染ならそうもいかないよね」
「はい、すみません」
「ま、一応相手も男なんだから気をつけなよ?」
「はい!気をつけます!」
「まあ何かあっても僕が守るから大丈夫さ」
「…はー、本当にらぶらぶだよね」
「そうだろう?」
「そんな嬉しそうな顔されるとなんか面白くない」
「ふふ。ごめんごめん」
いいながらリュカ様はアラン様をなでなでします。
「…まあ、とにかく気をつけて行っておいでよ」
「はい!わかりました!」
「そんで早く帰ってきてね」
「わかっているよ。すぐに戻るからね」
こうして楽しいお茶会が終わり、今日はアラン様が一度帰ることになりました。
「アラン様!お土産期待しててくださいね!」
「言われなくても期待してるよ」
「ふふ。僕の花嫁もずいぶんアランと仲良くなれたようだね。よかったよかった」
「むー…まあ、認めるのは癪だけど…まあ、ちょっとはなったかもしれない」
照れ隠しにちょっと悪態を吐きつつも仲良くなったことを認めてくれるアラン様。とっても微笑ましいです。アラン様と仲良くなれて本当に良かったです。
「じゃあまた今度ね」
「はい!また今度!帰ってきた時に!」
「また今度。気をつけて帰るんだよ」
アラン様、お土産とお土産話楽しみにしていてくださいね!
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