リュカ様とお友達とピクニック
ピクニック
「リュカ!ピアノ弾いてきたよー!」
ばーん、と音を立ててドアを開けるアラン様。リュカ様はちょっとびっくりしたような表情をしましたが、すぐに笑顔になってアラン様と私を迎えてくれました。
「僕の花嫁、アランの演奏はどうだった?」
「リュカ様の仰っていた通り、とても素晴らしい演奏でした!とても心地よくて、アラン様のお人柄が現れたような優しいものでした!」
「そうだろう?アランはとても綺麗な音を奏でるからね」
「そ、そんなに褒めないでよ、照れるじゃんか…」
照れた様子のアラン様。とても微笑ましいです。なんだかリュカ様がアラン様を可愛がる理由がわかる気がします。
「そ、それより!三人で遊びに行くんでしょ!早く行こうよー!」
「はいはい。今使用人達が準備しているから、ちょっと待ってね」
「どこに行くのですか?」
「この近くの公園でもどうかな」
「あー、あそこ公園の割には大きいもんね。花畑もあるし綺麗だし。休憩所で花畑を見ながらピクニック気分もいいよね」
なるほど、近くの大きな公園でピクニック!私も小さな頃兄弟とよくお庭や公園で遊んだものです。懐かしいなぁ。
「じゃあ、そろそろ準備も整っただろうし行ってみようか」
「リュカとのピクニックなんて嬉しいなぁ」
「さ、僕の花嫁。お手をどうぞ」
そう言ってリュカ様は手を差し伸べてくれます。その手に私の手を重ねると、リュカ様は笑顔でエスコートしてくださいました。
「むー…二人ともラブラブだね」
つまらなそうな顔をしつつも邪魔はせずに見守ってくださるアラン様。何度も言いますが、本当に優しい方だと思います。
「アラン。拗ねない拗ねない」
「だってリュカを取られたみたいで面白くないんだもん」
「確かに一番大切なのは僕の花嫁だけど、アランも大切に思っているんだよ」
そう言ってアラン様の頭を撫でるリュカ様。本当にお二人ともお互いを大切に思っているのが伝わってきて、とても微笑ましいです。
「じゃあ、馬車に乗って出発しようか」
「はい!今から楽しみです!」
「あそこの公園は本当に花畑が綺麗だからね。楽しみにしてなよ」
そうして馬車に乗って、目的地に着くまでの間たわいもない話をしながらアラン様との距離を少しずつ詰めて行きました。その間に少しは仲良くなれたと思います。
「ほら、サラ。着いたよ。僕の手に掴まって」
「はい、ありがとうございます。リュカ様」
馬車から降りる際手を差し伸べてくださるリュカ様。とっても紳士です。そして美形にやられると嬉しい!役得だー!
「いつ見ても本当に見事な花畑だよねー」
「そうだね。管理がしっかり行き届いている」
「わあ!すごい!すごく綺麗な花畑ですね!」
「そーね」
「サラはここに来るのは初めてだし、少しゆっくり散策してから休憩所で食事にしようか」
「嬉しいです!ありがとうございます、リュカ様!」
「じゃあ早速見て回ろうか」
そして私達はゆっくりと公園を散策して、美しい花に囲まれながら、たわいもない話を楽しみつつ目的地の休憩所に向かいました。
「じゃあ、そろそろお昼ご飯にしよう」
「お弁当用意してくれてたんだ!ありがとうリュカ!」
「ありがとうございます、リュカ様」
「どうしまして。さあ、召し上がれ」
「いただきまーす」
「いただきます!」
そうして私達はリュカ様の用意させてくれたお弁当を楽しみました。
「うーん、やっぱり美味しい!」
「サラはそればっかりだね。そんなに気に入ったの?」
「はい、とっても!」
「僕の花嫁、これも美味しいよ」
「わあ!本当ですね!」
「…はー、本当に毒気抜かれるくらい素直だよね」
「僕の花嫁は可愛いだろう?」
「まーね。でもちょっと心配。素直過ぎて逆に変な虫が付きそう」
「あー、それはあるかも。…アラン、この子の後ろ盾になってくれる?」
「…リュカの頼みなら仕方ないなぁ」
「お二人ともどうしました?食べないんですか?」
「なんでもない。食べる食べる」
「僕の花嫁は食べている姿も可愛いね」
こうして楽しい時間を過ごし、今日はアラン様が一度帰ることになりました。
「アラン様!是非また来てくださいね!」
「サラに言われなくても、リュカに会いにまたくるよ」
「ふふ。僕の花嫁はアランと仲良くなれたようだね。よかったよかった」
「むー…仲良くなんてなってないし。…いや、まあ、ちょっとはなったかもしれないけど」
照れ隠しにちょっと悪態を吐くところもとても微笑ましいです。アラン様と仲良くなれて本当に良かったです。
「じゃあまた明日ね」
「はい!また明日!」
「また明日。気をつけて帰るんだよ」
明日も来てくださるようです!嬉しいです。明日はもっと仲良くなれるよう頑張ります!
昔はよくしましたよね