リュカ様のお手伝い…?
重要な役割、実は簡単でした
「あの、リュカ様?」
「なんだい?僕の花嫁」
「これって本当にお手伝いになるんでしょうか…?」
私は今リュカ様に横抱きにされています。リュカ様の言っていたとっても重要な役割とはリュカ様に横抱きにされることでした。どうしてこうなった。というか私を横抱きにしながら執務に没頭するってすごい。さすがリュカ様。
「なるに決まっているよ。ドラゴンは番との時間や触れ合いが一番癒されるからね」
「それならいいんですが…あの、執務の邪魔になりませんか?」
私が聞くとリュカ様は心底驚いたような表情を浮かべた。美形はどんな表情も美しいんだなぁ。役得役得。
「サラが邪魔?まさか!そんなわけないだろう?むしろリラックス出来てより丁寧な仕事ができるよ。ありがとう、僕の花嫁」
微笑む顔も美しい。美形って得だよね。眼福だなぁ。
「それなら良かったです」
「ふふ。本当に僕の花嫁は可愛いね」
リュカ様からちゅっ、と頬にキスをされる。リュカ様は何気なく頬にキスをしてくるのでちょっと恥ずかしい。でも、愛されてるんだなぁと嬉しくも思う。
「さあ、頑張ってはやく終わらせてサラとの時間を増やさないとね」
「はい、ぜひそうしてください!」
ずっと横抱きにされ続けるのも恥ずかしいからね!
…かちこちかちこちと時計の音だけが聞こえる。リュカ様は私を横抱きにしたままずっと書類の山と睨めっこ。ちょっとだけ疲れた様子も見せるけど、そういう時は大体私を強く抱きしめてからまた書類の山に向き直る。どうやら本当に私が癒しになっているらしい。よかったよかった。
だんだんと書類の山が減っていく。大分時間が経ってしまったけれど、あと一枚で書類も終わりそうだ。
「…ふぅ」
どうやら最後の書類も終わったらしい。リュカ様が清々しい表情になっている。
「さ、待たせたね。僕の花嫁。もう終わったよ。サラのおかげであっという間に終わったよ。ありがとう」
「いえいえ、私結局なんのお手伝いもできなかったので」
「何を言ってるの?サラが側にいてくれたからやる気が出て早く終わったんだよ?それにサラのおかげでとっても癒されたしね。まだまだ仕事出来そうなくらいだよ」
「そんなに役に立てたならよかったです」
「サラ、もしよかったらこれからも暇な時は仕事を手伝ってくれるかい?サラがいると、本当に終わるのが早いんだ。本当は今日夕食が終わった後徹夜する予定だったのに、夕食までに終わったくらいだしね」
えっ、徹夜予定だったの!?それは確かに早く終わったみたいだ。役に立てて良かった。
「はい、もちろんです!お役に立てるなら幾らでもお手伝いします!」
「ふふ。ありがとう、本当に僕の花嫁は優しいね。さあ、もうこんな時間だし、一緒に夕食に行こうか」
「はい!リュカ様」
こうしてリュカ様のお手伝いは終わりました。正直私はただいちゃいちゃしていただけな気もするけれど、これからも必要な時はお手伝いに来ようと思う。
これからもお手伝い頑張ろう