リュカ様のお手伝い
大分お山に慣れてきた
「うーん、疲れたー!」
「お疲れ様です、王太子妃殿下」
アデール先生の授業が終わる。王太子妃教育難しいよー!でも少しずつ慣れてきたかもしれない。礼儀作法含め淑女教育はこれでも元男爵令嬢だからそれなりには出来ているし、勉強も結構出来てる方だと思う。問題はドラゴンの歴史だ。今までドラゴンの歴史を学んだことがない私には正直難しい。でも知らないことを学ぶのはすごく楽しいので、良い時間にもなっている。
「アデール先生、今日もありがとうございました!」
「いえいえ、サラ様は覚えが早いのでとても教えやすいですから。こちらこそありがとうございます」
褒められた!リュカ様も褒めてくれるかな?
「では私はこれで失礼致します」
「明日もよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願い致します」
アデール先生が帰ってしまう。うーん。お勉強が終わるとすることがなくて暇なんだよね。普段ならお勉強が終わる頃にリュカ様が迎えに来てくれて、一緒にチェスとかトランプとかで遊んだり、お庭を散策したり、お茶を飲んだり出来るんだけど、今日はなんだかリュカ様は忙しいみたい。夕食の時間まで来られないって言っていた。
「サラ様、何をして過ごされますか?」
「うーん、どうしようかなぁ」
…あ!良いこと考えた!
「ねえ、リュカ様の執務室に行ってもいいかな?」
「サラ様なら大丈夫だと思いますが、どうかされましたか?」
「うん!あのね、リュカ様のお手伝いが出来ないかなって思って!」
そうしたら早くお仕事が終わってリュカ様と一緒にいられる時間が増えるよね!暇つぶしにもなるし丁度良い!
「まあ!名案ですわ!」
「リュカ様もきっとお喜びになられるでしょう!」
「うん、わかった!じゃあ早速行こう!」
こうして私は侍女さん達と一緒にリュカ様のいる執務室に向かった。
コンコン、とドアを叩く。
「リュカ様、入ってもいいですか?」
「…サラ?いいよ、入っておいで」
がちゃりとドアを開けて入ると書類の山に囲まれたリュカ様の姿があった。
「サラ、どうしたのかな?」
「あの、リュカ様のお手伝いが出来ないかなぁと思って来ちゃいました!」
「…!」
私が理由を言った途端にリュカ様がすごく綺麗な笑みを浮かべる。そして私をハグしてくれた。
「サラ、まず何より君のその気持ちが嬉しいよ。ありがとう、僕の花嫁」
どうやら喜んでもらえたらしい。よかったよかった。
「えっと、何か出来る事はありますか?」
「もちろん。サラにはとっても重要な役割があるよ」
じゅ、重要な役割…一体なんだろう?
普段はリュカ様と順調に愛を育んでます