始まり始まり
これはゆっくり愛でる作品と、ゆっくり虐待が混ざったものです。お気をつけ下さいませ。また、オリジナルのゆっくりも出てきます。
カーテンの隙間からチラチラと太陽の光が射し込んでくる。眩しさに、そっと布団を被り直すが、バンッと開いた扉から来た生物に眠気を吹き飛ばされた。
「おねーさん!ゆっくりおきてね!すぐでいいよ!」
バシバシと布団を叩くそれは、今や世間一般で言う『ゆっくり』というナマモノだ。だが、私の飼っているゆっくりはただのゆっくりではない。普通のゆっくりは生首のように頭だけしかないナマモノなのだが、私の飼っている全てのゆっくりは体が生えている、いわゆる『胴付き』と言われるものだった。
そして、今もなお布団を叩くそれは、『ゆっくりれいむ』と呼ばれる存在だ。黒髪に赤い大きなリボンと赤の巫女服が特徴だ。中身は餡子でできている。ちなみに私はつぶ餡派である。
「……ん、分かった分かった、今起きるから」
ゆっくりと体を起こし、ベッドから這い出る。髪をとかして、居間へとれいむと一緒に出ていく。
「あ、おねーさん。ゆっくりおはようございます」
「おはよう、さなえ」
ゆっくりさなえ。中身はうぐいす餡でできている。緑色の髪に白と緑の巫女服を着ている。本人曰くカエルの髪飾りはチャームポイントらしい。
そんなさなえは今、キッチンに立って料理を作っている。火に抵抗は無いらしい。くるくると鍋の中のスープをかき混ぜている。
「他のみんなは?」
「いまおこしてくるのぜ!」
そう言って駆け出して行ったゆっくりはゆっくりまりさ。金髪におさげ、魔法使いのような帽子が特徴だ。全体的に黒い服を着ている。うちのまりさはおっちょこちょいで慌てん坊だ。何かやらかさなければいいのだが。
『ガッシャーン!』『ゆわあぁぁぁあ!!』
ほら、言わんこっちゃない。
『おねーさんー!』
わらわらとゆっくりたちが集まってくる。あまりにも多くのゆっくりを飼っているため、今回は説明を省く。
「さぁ、ご飯にしようか」
『ゆわーい!いただきまーす!』
こうして、騒がしい1日が始まるのだった。