第2話 天秤の天使
「やっぱり指導の点においては彼が一番かしらね。」
ヘラはそう言うと、ある一体の天使を召喚した。
「お呼びでしょうか。嫉妬神ヘr「あぁん?」いえ、神ヘラよ。」
(うん、やっぱりヘラさん怖いわ。)
そこに現れたのは、純銀の鎧を纏い天秤と剣を両手に持ち、美しい六対の翼を携えた天使だった。
「オホンッ、単刀直入なのだけど、あなたにはこの子にこの世界の知識と出来れば教養も教えてもらいたいのよ。」
「ふむ。」
「あの、あなたは・・・」
「ああ、これはこれは。申し遅れました。私の名はミカエル。この天界において熾天使を務めさせて頂いています。」
ミカエルはそう言うと流れるような動作で一礼した。
「この子は情報を司る神テクノよ。さっき現界したばかりなの。」
「ああ、なるほど。そういう事でしたか。情報ですか・・・・・そういうことでしたら、ぜひお任せ下さい。」
「ええ、よろしく頼むわ。とまあ、彼は一見慎み深い紳士で有能な天使に見えるけど、第一印象に騙されないことがうまく付き合っていくコツね。」
「フッ、さすがは神々の女王。ジョークのセンスも一流でなことで「あなたもゼウスみたいになりたいみたいね。」はははははは、メッソウモゴザイマセン」
テクノのヘラに対する恐怖心がウナギ登りである。
「さて、そうと決まれば早速参りましょう。神テクノ。ゼウスの妻だけに、いつ雷が落ちてくるかわかりませんからね。」
(ミカエルあんた命知らず過ぎるよ!!)
「こいつ一回マジで殺して輪廻転生させてやろうかしら・・・」
「(ヤバい、これはやり過ぎましたかね)ささっ早く参りましょ、おや神テクノよ、もうそんなところに。」
「日本のことわざに"触らぬ神に祟りなし"という諺がありましてね、ハハハ」
そんなこんなで、世にも珍しい情報神と熾天使の一行のちょっとした旅は始まった。
(そういえば、神ゼウスとはほとんど話せなかったな。)
「あの、俺の存在めっちゃ空気じゃね?こんなに痛い思いをしてるのに……………グスッ」
「もういっそ空気神なんかに改名したらどうかしら?お似合いだと思うわよ。」
その後、かの王は丸一日不貞寝したとさ