6話・4人
「デバフミスト ポイズン」
「ギッ.......」
魔物が静かに死んでゆく。
「おぉ......」
俺はその光景に感嘆の息を漏らした。
それほどまでに、ルルカさんのデバフミストはすごいのだ。なんたって、あたりに変化は特に見られないのに、魔物が次々と倒れていくのだ。
「ギッシャァァァア」
横から魔物が俺の籠手に噛み付いてきた。
ガァン!と音がなって砕け散ったのは、魔物の歯だった。
怯んだ魔物をすかさず俺が沸騰させる。
アナの無機物硬化によって極限まで高められた籠手の防御力はそこらの魔物の攻撃なんて、ゆうに防ぐ。
武具屋のおっちゃん、いらない子になってないか?
俺がそんなことを考えたが、おっちゃんの笑顔が頭によぎったので、これからも通おうと決めた。
「そんなに防御ばっかしてたらわたしが活躍できないじゃない!」
後ろで騒いでいるのはアリアだ。
アリア曰く「防御系スキルは回復系スキルがあるならいらないんだから、アナは留守番じゃないの?!」だそうだ。
上位と最上級ならお留守番になるのは決まっていると思うんだが......
これを言うとまたうるさくなりそうなので、黙っておく。
「ふう、ひとまずこのくらいにして、お昼にしませんか?わたし、お弁当作ってきたんです」
ルルカさんもなかなかの可愛らしさを秘めているな。
そんなことを考えながらも、でも、こうゆう場面で出てくる料理って、ゲテモノ系が多いんだよなぁなんて思いながら開けてみると
綺麗な卵焼きに美味しそうな野菜炒め豚肉のようなものにオクラのようなものを巻いたものなど、普通に、というかめっちゃ料理うまい人だった。
ぶしつけなこと考えてすみません。
「じゃあ、いただきます!」
「「「いただきます!」」」
俺たちは木陰でお昼を楽しんだ。
お昼をすませてから、俺たちはすこし魔物を狩って、街に戻ることにした。
「では、私たちはこれを酒場に持っていくので、ここでお別れです。また明日もよろしくお願いします」
ルルカさんたちと別れた俺とアリアは武具屋で魔物の素材を売った後、酒場に行こうという話になった。
「酒場ってどんな場所なんだ?」
「利用者のほとんどは仲間募集かクエスト受注が目的ね、でも、仲間募集しようとしても、大抵荒くれ者みたいな輩しか集まらないからあまりお勧めはできないわね」
一度仲間を集めたことがあるような口ぶりのアリアに
「アリアは募集したことあるのか?」
と聞くと、苦虫を潰したような顔をして
「まあ、前にね?」
と言われた。
どんだけやなことあったんだよ。
酒場に着くと、そこには想像通りの町の酒場が広がっていた。
「これはまた、典型的な酒場だな......」
「どこの酒場もこんなもんよー。ここは国からのクエストが発注されるから、すこしは賑わってるかもねー。」
国からのクエストなんかもあるのか。
俺はふと疑問に思ったことを聞いてみた。
「俺らはクエスト受けずにモンスター狩ってるけど、受けた方が金儲けできるんじゃないか?」
するとアリアはクエスト掲示板の方をみてから
「やっぱり、この町のクエストは質が低いのよ。これなら純粋に狩りまくったほうがお金になるわ。」
へえ、ゲームならクエストは受けてなんぼなんだけどな。
まあ、別の町に行けばいいクエストがたくさんあるところもあるんだけどねー、と付け加えたアリアの言葉は魅力的だったが、
そんな感じで酒場を去り家に帰って俺が風呂に入っていると、
「........!.......?!」
なんか上が騒がしい。
と思った途端に階段を駆け下りてくる音が聞こえ、
「マサヤー!大変、大変よー!」
バンッ!と、ドアが思い切り開けられそうになったので軽い温度変換ダウンでドアを凍らせた。
ガッ
「あ、あれ?あかない? まあいいわ!大変なの!わたしが集めてたキラキラの石が全部なくなったの!」
なんだと!
......アリア、そんな趣味があったのか。
ユニーク数100人突破いたしました!、ほんと、感謝で胸がいっぱいです。
本編ですが、アリアはかわいい趣味をお持ちのようですね。かわいい。
はい。
次回はアリアのきらきら石を取り返すお話になりそうですね。
では!次回七話もお楽しみに!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!