27話・キノコ
「魔物狩り解禁よ! 早く行きましょう!」
「アナもがんばる!」
「みんなでたくさん狩っちゃいましょう!」
この世界では魔物狩りは普通なのだが、仮に魔物の部分を動物に置き換えてみるとどうだろう。
軽くサイコパスと思わないか?
まあ俺も、魔物狩り以外することないけど。
最近の俺たちの魔物狩りスポットは町を出て少し進んだところにある森の中にある渓谷だ。
渓谷を降りるといい感じに日が差して川もあってでなかなか良スポットなのだ。
「あ! なんか魚いた! 捕まえてくる!」
「アナも!」
2人はそう言って川の方へ走っていく。
「2人ってなんだかんだ仲良いですよね」
ルルカさんは微笑ましそうにそう言った。
「ですね、川の周りは魔物がすくなくて安心ですしね」
「まあ、私たちの魔物を狩らないといけない量増えるんですけどね」
なんて反応したらいいんだ。
とりあえず、アナとアリアの穴を埋めるため、俺とルルカさんで渓谷を奥へ進んで行き、そこに出てくるキノコみたいだけど歩ける魔物を狩った。
この魔物、食べると美味しいとかでなかなかの値段で売却できるのだ。
「うわっ、マサヤさん! なんかでかいキノコマッシュきましたよ! 傘の裏が気持ち悪い!」
ルルカさんの方を見ると、確かに普通のキノコ魔物より一回りほど大きい魔物がやってきた。
この魔物、キノコマッシュっていうんだ。
ルルカさんがこっちに逃げてきたため、俺がデカキノコを倒すべく前に出ると、
デカキノコがその場をバァン!と踏んだ。
とともに地面から根っこが何本も俺に襲いかかってきた。
「うおわ! え! え! 待ってルルカさん! このキノコなんか違う! 根っこの勢いが確実に俺仕留めにきてるやつだって!」
「気をつけてください! そのキノコマッシュ明らかに何か違います! なんというか、気持ち悪いです!」
ルルカさんがめっちゃパニクっている。
俺はルルカさんを落ち着けるべくアップを使ってデカキノコを倒そうとした。のだが
ボトボトボト
アップを使ってでて来たのは出てきたのはデカキノコの気持ち悪いところにいた芋虫だった。
しかも大量に。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
もーやだこの森!
デカキノコはというと熱耐性が強いのか、ぴんぴんしている。
「マサヤさん、あれです、レヴァーテでやっちゃいましょう! もうここら一体消し炭にしちゃってください!」
「ここでレヴァーテ使ったら森が何割か消えますよ?!」
「いいいいいいですよ! だって、あ......」
急にルルカさんの声が止まったので見てみると、顔に芋虫が、
うっわ、
とりあえず俺はアップをルルカさんに被害がないように使い芋虫を軽く弱らせ、芋虫を顔から落とし、デカキノコと向き合った。
ええーっと、植物は寒さに弱いんだよね?
もしダメだったらアナのところまで逃げて助けてもらおうと思いながら俺はダウンを使った。
すると根っこによる攻撃を再び仕掛けようとしていたデカキノコの元気がみるみるなくなりついにその場に倒れた。
俺はすぐさまその場を離れたかったが、デカキノコもといキノコマッシュは俺も何度か食べたことあるが、確かにうまかった。
......もう、動かないよね?
俺はルルカさんをおぶったあと片手でデカキノコ引きずってアリアとアナのところへ戻った。
「あ! マサヤ...って、どーしたの! ルルカ気失ってんじゃん!」
アリアがルルカさんにヒーリングをかけ始めた。
「そのキノコ何!」
後からついてきたアナはデカキノコに興味津々だ。
かーわい。
「これ、今日食べたい!」
ルルカさんをおろした俺のもとへアナがそう言ってきた。
「じゃあ、ルル......アリアに頼んどこうか! おいしいもんね、キノコマッシュ!」
「私に料理を頼むのね! いいわよ! このキノコマッシュを極上のものに仕上げたげる!」
ルルカさんには何も言わずに食べさせよう。
「......あれ......ここは......はっ、いもむしは......あれ、何があったんでしたっけ」
「なにもなかったですよ帰りましょうか」
家に帰りつくとアリアは俺がルルカさんにばれないように持ち帰ってきたキノコマッシュの調理にとりかかった。
「アリアさんが作ってくれると、私の仕事が減って助かりますね」
何も知らないルルカさんがそんなことをいう、お気の毒に。
しばらくして、アリアができたわよー!と料理を持ってきた。
「「「おぉー!」」」
キノコシチュー、キノコスープ、キノコ入りソーメンなど、それはそれは見事なものだった。
「「「いただきまーす!」」」
「......キノコ......?はっ! これっ「おいしいなアリア! さすが!」
「ふふふ、そうでしょう、いくらでも食べなさい! まだまだあるわよ!」
俺たちはデカキノコの料理を楽しんだ
明日からテストです。勉強なんて知りません。
本編ですが、いもむし回基キノコ回でしたね。キノコは好きですよ
ここまで読んでくださりありがとうございました!
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