22話・絵画
「久しぶりだー!」
やっと家の鍵の複製が作れて、久しぶりのアリア宅での最初の一言を言い放ち、気がついた。
......やばい、ルルカさん家の方がいい。
でもこれはさすがにアリアに失礼だよなあ......とか考えているとアリアが
「ねえマサヤ?うちってこんなに狭かったっけ?」
とか言ってきた。
おれの気遣いとは、
でも、おれもルルカさん家に長くいて、正直4人でいることが普通に思えていたところがある。
......もうしばらくお世話になろっかな。
俺たちがルルカさん家に戻っていき事情を説明したら、ルルカさんは苦笑いだったが了承してくれた。
ルルカさん優しい。
「そういえば、うちにこんな絵の模写が届いたんですよ」
ルルカさんがそう言って取り出したのは1枚のA4サイズほどの紙だった。
それを見てみると、そこには、不気味としか表現できない絵が写っていた。
「この模写自体はいろんなところから絵を集めて一般公開して金集めちゃおうっていう団体の中の模写スキル持ちが写したものらしいんですが、問題はこの絵の説明文なんです」
そう言ってルルカさんは紙を裏返した。
『悪魔が書いたと言われる絵の原画入手に成功!!もちろん飾りますので、ぜひきてください!!』
「なんとも胡散臭そうな話ですね......」
俺がそういうと、アリアがハッと思い出したような表情で、
「でも、悪魔の絵って人間が見ると極度に魅了されてしまって、廃人になるとかなんとかって聞いたことあるわね」
だそうだ。
......それならすでに手紙を送りつけてきた人は廃人なんですよね。
「それ目的で悪魔が絵を流出したのもあり得ますね」
不意打ちでルルカさんがアリアの意見に賛同する。
俺が、こいつらまじか的な顔をおそらくしていると、ルルカさんは俺の気持ちに気づいたのか、
「悪魔の絵が一定以上の実力保持者にのみ魅了が働く、なんてこともありましたからね」
と補足してくれた。
なるほど、俺が無知なだけだったのか。恥ずかしい。
「じゃあ、とりあえず実物を見に言ってきましょうか!」
アリアがなぜかノリノリになっている。
すると、玄関のドアがガチャリとあき、ちょうどいいタイミングでアナが遊びから帰ってきた。
「じゃあ、みんなで見に行ってみますか?」
アナとアリアが、おぉーー!と言っている。
......めんどくさぁぁあい
「ここですかね?」
辿り着いたところは、少し裏道に入り込んだところにある、こじんまりとした建物だった。
すると、中から俺と同じくらいの青年がでてきて、
「こんにちはー!絵の鑑賞にきてくださった方々でよろしいですかね?」
と、反強引的に俺たちを建物の中へと連れ込む。
中へ入ると、大して期待していなかった割には、人数もまあまあ多く、中には最上級技巧が使える人を含んだパーティなどもいた。
「なかなか繁盛してるのねー。私たちもそういうことしたらお金稼げるのかしら」
町へ出なくても稼げるという事実にアリアの心が揺らいでいる。
もちろん俺もだ。
「とりあえず、他の絵を見て回って、最後に問題の絵に行きましょうか」
ルルカさんの後をついていって絵を見たが、
よくわかんない。
だって、ねぇ?、中卒に美術を求めたらあかんって。
アリアとルルカさんが思ったよりも絵に見入っているので、俺がアナと一緒に暇つぶしをしていると、
うわぁぁぁぁぁぁ!!!!
という悲鳴が聞こえた。
「!!あっちの方から聞こえました!」
絵に興味を持ってなかった俺は1番早く動くことができ、真っ先に悲鳴があったところへ駆けつけると、
先ほど見た最上級技巧を持つ人が絵を持って暴れていた。
「あれは......やっぱり問題の絵ですか。後回しじゃなくて最初に見てから運営に注意しておくべきでした.....」
ルルカさんの後悔の声が聞こえるがもう遅い。
俺は、悪魔の絵に魅了されてしまった人を落ち着かせるべく、初の対人戦に挑んだ。
「デバフミスト!スリープ!」
俺が、ん?と思うと同時に何かが後ろからビュンときたと思ったら暴れていた最上級の人はすっかり眠っていた。
「ひとまずこれで安心ですね」
まあ、ひとまずは安心していいのだろう。
俺のメンタルは傷ついたが。
テスト憎むべし。テストのせいで更新速度おちます.....
本編ですが、悪魔が関わってきましたね。
これからどーなって行くのか!(俺もわからない!)
今回はここまで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします。