20話・悪魔
「......どこまで行くんや?!あの女は!」
ハガタが悲鳴をあげている。
「尾行してるのに何弱音吐いてんだ!おら!もっとシャキッとしろ!」
1番状況を理解できてないであろうバークが案外ノリノリである。
......俺たちは今、密売に関係しているかもしれないお姉さんを追って町外の森まで来ていた。
「あ!あのねーちゃん洞窟にはいっていったぞ!」
バークの声がそういった方向を見てみると、確かに、お姉さんは素早い動きとともに洞窟の中へと入っていった。
俺たちがお姉さんの後を追ってその洞窟へ入ると、中は少しひんやりとした大きめの洞穴のようになっていた。
と思い3人が洞窟へ入ったと思った瞬間、
洞窟の入り口が崩れ落ち、外へ出られない状況となった。
「な?!どないなってんねん!」
「おい、これどーすんだ!?マサヤのスキルも岩には効果ねーだろ!」
はい。その通りです。
俺たちが慌てていると、奥からカツッカツッという音とともにお姉さんが姿を現した。
「ねえ?坊やたち?なんでさっきから私の後をつけて来ていたの?」
......ばれてんじゃん!
ここまで来て嘘を言う必要もないと思った俺は
「密売者みたいな動きをするお姉さんが気になったからですかね?」
と答えた。
するとお姉さんはクスッと笑い、
「密売者ねえ.....ある意味あってるかも?」
と言って
背中から悪魔の羽を羽ばたかせた。
「私の名前はシュトリっていってね、悪魔族の1人なの!今回あの町に来た理由はあの町のパーティの戦力をはかるため!まあ、あんなカス町のデータ集めたところでどうにもなんないんだけどね!」
「悪魔ってゆーたんかあの女?!」
ハガタが驚きの声をあげる。
「悪魔ってそんなにやばいやつなのか?」
と俺がハガタにみみうちすると、
「やばいのなんのって、悪魔やぞ?!しかも、シュトリゆーたら、本気を出せばここら一帯を一瞬で極寒の土地にかえさせることできるで!?」
だそうだ。
......かったんじゃね?
俺は運が良いようだ。この前の依頼といい、最近の強敵の温度下げる系を使う率が高い気がする。
「どうしたのぼうや?動かないの?なら私から行くわよお!」
といい、
「ダイヤモンド!ブリザード!」
と言い放った。
の瞬間、ハガタとバークが凍りつき、機能停止してしまった。
「あら?全員を戦闘不能にする勢いでやったのに、あなた耐寒性つよいのねー」
と余裕の表情で寄ってくる。
俺もだいぶ余裕だよ?
俺はそんなことを考えながらシュトリが俺の罠の範囲内まで来るのを待った。
するとシュトリは罠の直前で立ち止まり、こっちを見てニヤッとしたかと思ったら、
「坊やがそこに温度を上げる罠を仕掛けてるのは知ってるけど、かかってあげようか?」
なんていってきた。きづかれてたのか。
しかし、相手がかかって上げるといっているんだ。お言葉に甘えよう。
「黙るっていうことはかかって欲しいってことでいいのかしら?じゃあ、行くわよ!」
という声とともに体にブリザードをまとったシュトリは俺に突っ込んできて
羽が焼け落ちた。
「な?!」
暑さと痛さでしばらく這いつくばっていたシュトリは痛みが引いたのか、俺にはなにも言わずに外へ逃げていった。
「......なんだたんだ。あの女.....」
俺はそんなことを考えていたが、こんなことよりも、今はバークとハガタを治療することが先決だ、と2人を町へと引きずり帰り、町の病院へと引き渡した。
数時間後......
バークとハガタは回復してきているようだったので2人を置いて家に帰ってきた俺は、
「ルルカさん?悪魔ってしってます?」
と聞くと、
「そりゃしってますよ! というか、マサヤさん悪魔と戦ってきたんですね.....」
と返された。悪魔ってのも有名なんだな。
「ちなみに、今回退治した悪魔の名前は.....シュトリだっけな」
「シュトリ?!あいつは悪魔の中でもネームを持っている、最上級のやつらの1人ですよ!?」
へえ、次はもう少し対策していかないといけないんだな。
俺は、悪魔にも対応できる力を身につけることを決めつつ、自分の部屋へと戻っていった。
ねたい。
本編ですが!短くてすみません!今日中によんでもらいたくて.....
悪魔、でてきましたね。これからは悪魔とマサヤの戦いにも注目ですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。