17話・挑戦
「.......服装は大丈夫そうですね。うわあ、緊張してきました.......」
ルルカさんがそわそわしている。
ついに、パーティーが目前まで迫ってきているのだ。
アナは眠ってしまっているので女将に任せてお留守番してもらっているが、俺とアリアはタダで美味しいご飯を食える程度にしか思ってない。
ルルカさんはここで強いパーティーと知り合って繋がりを持つんだそうだ。
俺のパーティの保護者だな。
「じゃあ!ご飯食べに行きましょう!」
「アリアさん!お願いですから、目立つ行動はしないでくださいね?」
「わかってるわよー!」
そんなこんなでパーティー会場に着いた俺たちは、強面の警備員の人に招待状を見せ中へと入っていった。
しばらく歩くと目の前に広がるのは美味しそうな料理がズラッとならんだ会場だった。
俺とアリアがどれを先に食べるか決めていると
「初めまして、イネス様。私はルルカと申します。この度はパーティーへご招待いただきまことにありがとうございます。」
ルルカさんがめちゃくちゃちゃんとしている挨拶をしていた。
足は震えていたが。
俺たちもした方が良いのかとルルカさんの元へ行くと、
......あれ?
「また会いましたね、マサヤさん」
と王女イネス様が俺にニコッと整った顔を向けてくる。
「え!あの時ペンダントを拾ってくれたのって.....あっ、えーと、マサヤです。宜しくお願い致します」
「あ、アリアです。宜しくお願いします。」
俺らのパーティ、ルルカさん以外の礼儀ごみだな。
と俺が礼儀は学んだ方が良いよなあなんて考えていると......コロルがいた。
「ねえマサヤ?あれってマサヤに喧嘩売ってきたコロルってやつじゃないの?」
どうやらアリアも気づいたようだ。
「コロルも呼ばれたんだな。あいつそんなに強いんだ」
と俺が答えると、イネス様はキョトンとして
「コロルは私の弟ですよ?」
まじか。
コロルもこちらに気づいたようで、イネス様のところに来たと思ったら
「お姉様!なぜ!よりにもよって!こいつらを呼んだのですか!」
と言っていた。
「呼んだらダメだったのですか?」
「いや、そういうわけじゃないんですが......実は、神龍祭で俺はマサヤに勝負を挑んでいまして......」
どんどん小声になっていくコロルだったが、丸聞こえだぞ。
イネス様はふと悩んだ表情をした後、
「では、現時点での力をお互いに見ておきましょうか」
と言って来た。
まじか。
ルルカさんは、他のパーティーに媚び......繋がっておきたいのでここに残ります。と言ったので、イネス、コロル、アリア、そして俺の4人で城をでて、門前まで来た。
「パーティー抜け出しちゃってよかったんですか?」
と俺が聞くと
「別にあのパーティーに私がいたところで、いやらしい目つきで見られるだけだから良いんですよ」
この王女、なかなか適当だな。
「ルールはどうするんですか?」
「この辺の魔物を時間内にどちらが狩れるかで良いんじゃないですか?」
アリアとイネス様が適当にルールを決めていると
「俺とマサヤで一対一をさせてください」
とコロルが言っていた。
バカなのか。俺対人したことねーよ。
イネス様は少し悩んだ後、
「まあ、いいでしょう。」
と答えた。
......まじかぁー
ルールが決まったので俺とコロルは定位置についた。
まけんじゃないわよー!とアリアが王子であるコロルに喧嘩を売ってるようなことを言っているが、コロルが気にしてないようなのでよしとしよう。
「では!はじめ!」
イネス様の声と同時にコロルは、
......来なかった。
というよりなんか言ってる。聞こえないけど。
俺は、コロルはナルシスト入ってるな。と確信するとともに、バレないように罠の準備に取り掛かった。
3分後、
罠の準備も終わったので早くこっちに来て欲しいのだが.....と俺が思っていると、コロルがこちらをキッと睨み
「神速剣!!」
と言うと同時に消えた。
何も見えないが、音的に俺の周りをすごすぎるスピードでまわっているのだろう。
「いくぞ!!」
と言ってコロルは
地面に倒れた。
「?!そ、そこまで!」
イネス様は驚いた声でそう言ったので俺はすぐさまコロルを罠から救出しアリアに治療を任せた。
「一体何をしたのですか?私には神速剣で突っ込んだコロルが急に倒れたようにしか見えなかったのですが......」
「実はですね、コロルが長々と話している時にアップで周りの温度を上げていたんですよ。それで、突っ込むと同時に急な温度変化に耐えれずにパタリです」
イネス様はまだ納得できない様子で
「コロルはこれでも王子です。熱の耐性もある程度ついてるはずなんですが....」
と言ったので
「いや、耐性は相当だと思いますよ?コロル、200度のところまで入ってきてましたし、危なかったら全体を5000度くらいまで上げるつもりでしたよ?」
と答えたら
「5000度?!マサヤさんのスキルの階級って最上級だったのですね......だから初めて会った時もあんなに簡単にホブゴブリンを.......」
俺の階級は伝説級だし、上げようと思えば10万度まで行けるのだが、ここで俺がそれをバラすとめんどくさいことになりそうなのでだまっておいた。
「あ!」
アリアが声をあげたので見てみると、
どうやら目が覚めたコロルが逃げ出したようだ。
「あれでもコロルは伝説級の美麗剣技を持っているんですがね.......」
とイネス様は呆れ声で言っていた。
そうか、王族は伝説級なんだな。
そこで俺はふと思い、
「もしかして、イネス様も伝説級なんですか?」
と聞いてみると、イネス様は見て見ます?とニヤッとして答えた。
「私も見てみたい!...です」
アリア、ですって言うの忘れかけたな?
と、話に入ってきたアリアに言おうとしたが、
「少し離れていてください。遠くにしますが、全力を出しますので」
とイネス様が行ったので俺とアリアはイネスの後ろに隠れた。
「では、行きます。」
ついに俺以外の伝説級が見れるのか!.....コロルはなかったことにして!
「......バレーノカデーレ!!」
そのイネス様の声と同時に魔界の山にガァァァン!と言う音とともに雷が落ち。
山が消えた。
「まじか.....」
俺とアリアがそこに呆然と立ち尽くしていると、
「マサヤさんの本気も見せてもらえませんか?」
とイネス様が行ってきた。
全力は怖いから出したことなかったけど、イネス様は王女様だしいいかな。と思った瞬間、急にブワッと影ができたかと思うと
「.......ヤマヲケシタノオマエラカ?」
と馬鹿でかい悪魔のような魔物がすごいスピードで飛んできた。
これ、イネス様のやらかしだよね?
と俺がイネス様の方をみると、
さっきの全力で疲れ切っているようで、めっちゃ焦っていた。
「マサヤさん。これはとてもまずいです。この魔物、最上級じゃ太刀打ちできません。私を置いて逃げてください。私ならなんとかできます」
と、自分が囮になるから逃げろと言うイネス様に感服しながら俺は、
「まあ、見ててください」
といい、アップを構えると、突然頭にぴしっと電流が走ったかの感覚になり、{.....アップではなく、レヴァーテを使ってください。それが、温度変換の第2段階です}と懐かしい声が聞こえた。
最近は聞いていなかったが、聞くごとに人としてのぬくもりを感じるようになっていることに疑問をもったが、今はそれどころじゃないので、
「温度変換 レヴァーテ!」
俺がそう言うと、
魔物はじゅわぁぁと音を立てて消えていった。
無理やりっ切っちゃって申し訳ないです。このまま続けると5000文字生きそうだったので......次話を速攻で書き上げるつもりなので、許してください!
本編ですが、マサヤTUEEEEEですね。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!